岡崎さんのウェールズ滞在日記14

岡崎さんのウェールズ滞在日記14


14.ハリーポッター そしてお誕生会

 先日、ハリーポッターの映画の最終作品を娘と観てきました。
 第一作目のハリーポッターの映画を家族でブリジェンドのシネマに行って見てから、十年の月日が流れての完結です。我が家のこどもたちも、この映画とともに成長してきたようなものなので、映画の出来映えや3Dへの進化、俳優さんたちの成長ぶりに感心するとともに、終わることへの一抹の淋しさを感じました。

 ハリーポッターという本は、以前にも書かせていただきましたが、息子が本を自分で読み出すきっかけになった本です。そして、娘が、本好きになった最初の愛読書でもあります。

 娘は、他人から指示を受けたことによって努力するというタイプではありません。自分で、そうしたいと思ったことには没頭するタイプで、このハリーポッターは、一巻目を読み出したものの、つまらないとやめた後、なぜか三巻目から読み出したら止まらなくなったようです。新しい巻が発行されると、どちらが先に読むかと、兄妹げんかをしていました。しかし、年月を経るごとに、息子も妹の方が読むのが速いと知っていて、先に読むことを譲らざるをえなくなりました。我が家のハリーポッターの本は、何回も何回も繰り返し娘によって読まれ、娘に何か質問をすると、本を取り出してきて、ここの文章、と教えてくれます。娘によれば、一回読んだだけの人には、たぶん冒険ストーリーのように思うだけかもしれないけれど、何回も読むと、作者が様々なことを考えて、深い意味がこめられている文章がたくさんあり、味わい深いのだそうです。

 娘は本好きの友人と出会ったことで、オーディオテープを聴きながら寝るようになり、学校の図書館の常連となり、友人と本について語り合い、自分でストーリーを作ることもしていたようです。帰国した中学一年の頃は、年間100冊以上の英語の本を読んでいました。(今は読む時間がないらしいですが、、、)好きな本を読むことを続けてきただけで、特別な試験勉強をすることなく、英検やToeicを受けて結果を出してきています。

 しかし、日本の大学受験を考える今、やはり日本語力の大切さを考えざるをえない状況にあることは娘も気づいているようです。英語は、日本の大学受験において大きな武器になるらしいですが、日本人として美しい日本語を書いたり、話したりできることは、生涯通じて大切なことだと思うので、受験に有益だからというだけでなく、しっかり日本語も身につけてほしいと思う昨今です。3月の補習校便りに、新聞を使った学習について書かれていましたが、大学受験のフェアでも、新聞の活用をすすめられました。英国にいても、日本語力をつけるための大切なヒントをしっかりみなさんいただいているようなので、補習校に通う皆さんは恵まれた環境にいらっしゃるのだと思います。

 さて、ハリーポッターの映画というと思い出すのは、“お誕生会”です。子供たちは、よくお誕生会のイベントとして、ハリーポッターの映画を見に連れて行ってもらっていました。映画の他にも、プールや、ジャングルジム、ホールを貸しきってのお誕生会など、様々なタイプのお誕生会によんでいただきました。

 セントクレアに入学してすぐの頃、娘は同じクラスの子のお誕生会に招待していただきました。様子がわからず日本人の方にプレゼントのことを尋ねたり、お誕生会の場所の下見をするため地図を片手に運転して行ってみたり、なんだか緊張したのを思い出します。
 プレゼントで驚いたのは、お金を包んでプレゼントとすることが割と一般的だったことでした。よく考えると、おもちゃが重なってもつまらないですし、好きなものを買ってもらえるので合理的ではあります。街のカードやさんに、こどもへのプレゼント用にお金を包むカードが売っていたので、これも英国の文化のひとつと知りました。

 子供は、招待していただくことが重なると、自分の誕生会もやってほしいと、当然言い出しました。マレーシアでのお誕生会は、遊園地にパーティープレイスがあり、進行役のスタッフまでいておまかせだったので、親は費用の負担ぐらいで本当に楽でした。ここでは親が準備もそして当日も大変そうだなあとは思いましたが、子供のお楽しみですから、クラス全員に声をかけたお誕生会をしたものです。

 そのうち子供も年齢が上がっていくと、仲のよい友達だけ招待するお誕生会をするというようにと、規模が小さくなっていっている様子でした。娘も、何人かだけでよい、というので、数人に声をかけた自宅でのお誕生会を企画しました。娘のお誕生会の前に、他の子のお誕生会があり、帰り際、あるお母さんがわたしと娘に「パーティーに行けるから」と言いました。すると近くにいた別のお母さんが、「えっ、呼ばれてない!」と言いました。もう、娘と顔面蒼白で帰宅しました。

 そして、他の日本人のお母さんに相談したところ、「たぶん、日本人は目立つから、やっぱりみんな、よばれたいものなのよ」と言われ、もう一人の人には「だから、お誕生会はしないことにしているの」と言われました。なるほど、、と思い、場所を変更して、急遽クラス全員に招待状を出し直し、「呼ばれていない!」と言ったお母さんに、娘は頭をなでられました、、、。お誕生会は、小さなケーキにアイシングでシュガーペーストの飾りをつけてお持ち帰りしていただくというイベントも好評で、とりあえず安堵しましたが、娘にもわたしにも、苦いお誕生会の思い出として残っています。その後のお誕生日は、家族でお祝いすることで十分、来てもらってもベストフレンドだけ、となりました。

 また、お誕生日の子の親がバースデーケーキを学校に持って行ってクラスのみんなにお祝いしてもらうという素敵な習慣があり、それを子供達は喜んでいました(英国の子のとっても甘いケーキが好きなのにはびっくり!)。わたしは子供の誕生日に工夫を凝らして作ったシュガーデコレーションのケーキを持っていくのが、実は楽しみでもありました。校長先生のシスターアンジェラが「よくできました!」とローリーポップをわたしにくださったのも、笑みがこぼれる想い出です。いくつになっても、誰かにほめられると嬉しいものですから。(2011年7月30日)

ウェールズ日本人会 email
Wales Japan Club All Rights Reserved
www.walesjapanclub.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。