第 5 回 Erddig に行こう!(ナショナルトラスト/お城/ガーデン/カーディフから車で3時間半)

Erddigに行こう!

Erddig1 (エルディグ)はChesterにほど近い北ウェールズの町Wrexham近郊にあるNational Trust(以下NT)のプロパティです。前回のPowis Castleと同様美しい屋敷で,特色は使用人の仕事場及び生活の場をつぶさに見ることできる点です。通常お屋敷を訪ねると,豪奢な部屋の数々を見ることはできてもあまり裏方の部分を見ることはできませんが,ここでは鍛冶場,洗濯場,台所,ハウスキーパーの部屋等々見ることが出来,当事の生活ぶりが直に伝わってくるようで非常に興味深く感じました。主人が部屋から召使を呼ぶためのチャイムもちゃんと残っていて,アンソニー・ホプキンス主演の映画”The Remains Of The Day” (邦題「日の名残り」)の1シーンを思い出しました。この屋敷では18世紀中ごろの当主Philip Yorke 1世の頃から使用人の肖像と主人が作った詩を画家に描かせる(もしくは写真を撮る)ということをしており,それらが使用人達の部屋に飾られています。当時の厳格な階級制度を考れば,とても異例なことです。
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お屋敷が建てられたのは17世紀末のこと。まずJoshua Edisburyという人が着工しましたが,途中で破産したため,一時期の家主不在を経て,John Mellerという裕福な弁護士に買われます。この人が今も残る素晴らしい家具の数々を屋敷に入れたのですが,子供がなかった為,妹の息子Simon Yorke 1世が継ぎ,その後1973年にNTへ委ねられるまで約2世紀半の間,Yorke家の人々によって守られてきました。 Yorke家の人々は代々古いものを慈しむ傾向があったようで,屋敷のつくりも家具も18,19世紀の雰囲気がよく残されています。ただ第二次世界大戦後は多くの屋敷がそうであったように,使用人もいなくなり,荒れ放題であったのをNTが修復し,現在に至っています。大貴族の屋敷という訳ではありませんが,品の良い上質の調度品が多く,慎み深く教養のある田舎のジェントリ(紳士階級)の家という感じでとても好感が持てます。

庭はフォーマルガーデンが中心となり,奥の池にはオオバンが巣を作って卵を産んでいました。巡らされたレンガの壁にはリンゴや梨の果樹が垣根仕立てで育てられ,壁の前には美しい草花の植え込みがあります。入口付近ではヴィクトリア朝のグラスハウス(温室)をみることもできます。明るく,手入れが行き届き, 好天とも相まって大変心地よく散策できました。

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Cardiff からだとShrewsbury経由で1〜2回休みを入れて車で片道3時間半くらいでしょうか。車がないと不便ですが,Wrexhamの駅から2〜3km歩けば着きます(Footpathもあるようです)。 なんとか日帰りできる距離ですが,近くには前回紹介したPowis Castle, 同じくNTのChirk Castle,チューダー様式の家々が美しいChesterの町など見所も多く, 1泊2日はかけてまわりたいところです。詳しくは下記でご確認ください。

National Trust :  http://www.nationaltrust.org.uk/
(Place to visit の検索で Erddig と入力すると情報を見ることができます。)

Traveline :  http://www.traveline-cymru.org.uk/
(列車・バスの時刻表は上記で手に入ります。)

(狩野 記)

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