第21回 Blenheim Palaceに行こう!!(世界遺産/お城/イングランド/カーディフから車で約2時間)

Blenheim Palace に行こう!

Blenheim Palace1イギリスでは,10月末から3月末まで都市部以外のお屋敷やアトラクションは閉まってしまうところが多いので,冬場に紹介記事を書くのはなかなか大変です。そこで・・・かなり有名どころではありますが,今回はオックスフォード郊外のBlenheim Palace (ブレナム・パレス)をご紹介します。ここはバロック様式の粋を集めた宮殿として世界遺産に登録されており,現在は11代目Marlborough公(マルボロ公。モールバラ公と表記されることも)の居城でもあります。ちょっと前のガイドブックではご多分にもれず10月末~3月中旬までは休みと書かれているものもありますが,10月末以降は水曜~日曜と限定されるものの,12月の上旬までは(ちなみに始まるのも2月の中旬から)屋敷の中も観ることができます。筆者が訪れたのも2004年の12月でした。車が園内に入り,建物が近づくにつれ,その威容と壮麗さにわくわくしたのを覚えています。18世紀の代表的な風景式庭園の造園家,Capability Brown(本名 Lancelot Brown)の設計による園内には大きな湖があり,美しい緑の芝がなだらかに続き,それをこんもりとした木立が飾っているといった風で,広々とした美しさに心を奪われます。クリスマスの時期には屋敷の中にクリスマス・ツリーが飾られ,暖炉には暖かな火が燃やされて,クリスマスの雰囲気を楽しむことができます。室内の豪華な家具や装飾は見ごたえがありますが,なんといっても外観の迫力,壮観さは「これぞ大貴族の屋敷!」と圧倒されること受けあいです。

Blenheim Palace2ドイツ語を少しでも勉強されている方はBlenheimというつづりをみて「ブレンハイムじゃないの?」と思われるかもしれません。とてもドイツ語っぽい名前ですが,それもそのはずで,この土地と建物は1704年の南ドイツの小村ブリントハイム(Blindheim)でのフランス軍との戦いに勝利した褒賞としてアン女王により1代目Marlborough公 Johnに与えられたものだったのです。それでBlindheimの英語表記であるBlenheimという名前が屋敷に付けられ,発音も英語的に「ブレナム」となっています。建物全体が個人のお屋敷というよりは一種軍事的なモニュメントという雰囲気をもっているのはこのような経緯によります。Castle Howardの設計等で,バロック様式の建築家として既に名を成していたSir John VanbrughとNicolas Hawksmoorにより1705年から1722年の17年の歳月をかけて建設されました。当初女王から与えられるはずであった建設費用は,女王の親友であった公爵夫人Sarahが女王からの寵を失うこともあって,一部しか支払われず建設は一時中断,Marlborough公は自身で費用を工面しなければならないという状況に陥りました。建設再開後はVanbrughと公爵夫人の間で費用のことで対立が深まり,1716年にVanbrughとHawksmoorは現場を去り,その後は一旦地元の職人が仕事を引継ぎましたが,1722年にMarlborough公が亡くなるとHawksmoorが再度起用されて屋敷を完成させています。

Blenheim Palace3さてBlenheim Palaceと言えば第二次大戦時のイギリスの首相 Sir Winston Churchillが生まれた所でもあります。彼は9代目公爵のいとこにあたり,園内のダイアナの神殿で後の夫人となるMiss Clementine Hozierにプロポーズをするなど,Blenheim PalaceはChurchillにとっても大事な場所だったようです。屋敷の中にはChurchillゆかりの品々や彼が描いた水彩画(とても繊細な絵が多く,意外な感じがします)が展示されているコーナーもあります。屋敷の周囲には20世紀初頭に9代目Marlborough公によって造られたイタリアン・ガーデンと噴水の彼方に湖を望むことのできるウォーター・テラスがあり,それらを取り囲む広大な敷地には散策路も設けられています。また園内にはミニSLも走り,プレジャー・ガーデン(遊園地のような場所)では巨大迷路などで楽しむことができます。カーディフからだと車で2時間半くらいでしょうか。オックスフォードの駅からバスも出ています。入場料は季節によって異なります。2007年では一番高い5月上旬から10月末までの時期ですと大人1人16ポンドと高めですが,TescoのVoucherをクーポンに替えたもので支払うこともできます。

Blenheim Palace : http://www.blenheimpalace.com/

Stagecoach Oxfordshire : http://www.stagecoachbus.com/oxfordshire/
(バスの時刻は上記で検索できます。20/20Aの路線がOxford駅からBlenheim Palece付近まで行きます。)

(狩野 記)

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