第23回 Bodnant Gardenに行こう!(ナショナルトラスト/植物園/カーディフから車で4時間)

Bodnant Garden に行こう!

Bodnant Garden1ウェールズにいるのにこの庭園を書かないわけにはいきません。今回は満を持してウェールズが世界に誇る名園Bodnant Garden(ボドナント・ガーデン)をご紹介しましょう。Bodonant Gardenは北ウェールズLlundudno(スランディドゥノ)やColwyn Bay(コルウィン・ベイ)から約10km南に位置し,一部を除いて現在ではNational Trustのプロパティとなっています。筆者が始めて訪れたのは2003年の8月でした。その年の5月にイギリスにやってきたばかりで,本格的な英国庭園の洗礼をうけたのがこのBodnant Gardenだったわけです。西にははるかにスノードンの山々(といってもそんなに高くはありませんが)を望むことができ,広々としてすがすがしく,「まぁなんて素敵なところに庭園を造ったのだろう」というのが最初の印象でした。庭園の中に入ると,多種多彩な植物と趣向をこらしたいくつものTerrace Gardenにまず心を奪われます。もともと斜面だった地形が巧みに利用され,上のテラスから階段を下りていくごとにまた違った景色が広がります。Bodnant Gardenの紹介では必ずといって良いほど使われる写真はCanal Terraceでとられたもの(写真右)で,睡蓮の咲くカナル(といっても水路ではなく長方形の池)の先にはPin Millと呼ばれる建物が建っています。もともとGloucestershireにあった建物で,荒れ果てた状態に心を痛めた当主がここに移築させました。テラスガーデンを抜けるとThe Dell(「小さい谷」という意味)というWild Gardenのエリアになり,ここにはConwy川の支流 River Hiraethlynがながれており,水辺の風景がまた美しい。小鳥も多く,人に慣れているようでバードウォッチングの気分も味わえます。再訪の2005年6月には念願の“黄金のトンネル”Laburnum Walkの下を歩くことができました。

BodnantGarden2Bodnant Gardenの歴史は何百年続くお屋敷などに比べると比較的新しく,この土地が現在のAberconwy卿の曾祖父にあたるHenry Davis Pochinによって買われたのは1874年のことでした。発明家だったHenryは事業からの引退後Bodonantで暮らし,Hiraethlyn(ヒラエスリンもしくはヒレスリン)川の川岸を補強し,多くの針葉樹を植えるなど,The Dellの骨格となる部分を手がけ,また有名な“Laburnum Walk”を造ったのも彼でした。彼は多くの子供に恵まれましたが,殆どを幼い頃に亡くし,Bodonantは娘のLauraとその夫Charles McLarenに引き継がれました。Charlesは1911年に貴族に列せられ,初代Aberconwy卿となりますが,庭園にはあまり手をださず,庭園の管理は専ら夫人のLauraとその息子Henry によってなされました。このHenry(2代目Aberconwy卿)が実に熱心なガーデナーで植物への造詣も深く,国会議員としての職務の傍ら現在のBodonantの原型を造ったのは彼でした(前述のPin Millを移築させたのも彼です)。また当時活躍していたGeorge ForrestやErnest Wilson,Frank Kingdon-Ward等のPlant Hunterとも交流があり,アジアやアメリカの珍しい植物をいち早く取り入れました。特にシャクナゲとモクレンについては思い入れが強かったようで,すばらしいコレクションがあります。1931年にはRHS(王立園芸協会)の会長となり1953年に無くなるまで役職を務めました。1949年には庭園はNational Trustへ寄贈され,(庭園内の住宅は寄贈されておらず,まだMcLaren家の人々が住んでいます)現在は3代目Aberconwy卿のCharles(彼も1961~1984年までRHSの会長として在任しました) が引き続きNational Trustの為に庭園管理をしています。HenryやCharlesを実務面で支えていたのはPuddle家の人々で1920年にFrederick PuddleがHead GardenerとしてBodnantに来て以来,親子3代にわたってBodnantを維持・発展させ,現在もそれは続いています。

Bodnant Garden3カーディフからだと車で4時間くらいでしょうか。Llandudnoからバスも出ていて(25番のバス),Cardiffから電車とバスを乗り継ぐと約5時間でいけるようです。日帰り旅行にするには遠すぎますが,北ウェールズにはこの庭園の他に,世界遺産に登録されているGwyneddの4つの城(Beaumaris,Harlech,Caernarfon,Conwy)やスノードニア国立公園などみどころがたくさん。少なくとも2~3泊してゆっくりと回りたいものです。詳しくは下記を参照ください。

National Trust :  http://www.nationaltrust.org.uk/
(Visits & Holidays の検索で Bodnant と入力すると情報を見ることができます。)

Traveline :  http://www.traveline-cymru.org.uk/
(バス・電車の時刻は上記で検索できます。)

(狩野 記)

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