補習校便り 2010年3月

補習校便り 2010年3月


日本からのお便り

C・Wニコルさんの講演会に参加して

元保護者 岡崎香折

講演は、日本語で、たくさんのユーモアを交えた、わかりやすく楽しいものでした。表題は「森を生きる」でしたが、ニコルさんがなぜ現在のように森を守ろうとするに至ったか、なぜそれを続けていくことが大事なのかというお話でした。具体的には、大学に行くより北極への探検を選んだこと、当時17歳で親のサインが必要だったため、お父さんのサインを一生懸命練習してこっそり親の承諾のサインをし、自分で貯めたお金で、北極に行ったそうです。そこの住民と一緒に過ごしたに厳しい自然下での体験によって沢山のことを学び、後に北極において、様々な一流の学者さんの助手を努めることにつながったそうです。また、それは、本当に興味深く得るものが多い経験だったそうです。お母さんは大学に行くことを強く勧め、一度大学に行ったものの、自分がしてきた経験と比べ、他の学生の知識があまりにも浅くて、本当につまらなく感じたとのことでした。

日本との出会いは柔道だそうです。中学生の頃、700人の生徒のうち3人だけがウェールズ人だったためか、とてもひどいいじめを受け、柔道を習ってやり返したそうです。その後、日本人の柔道の指導者に出会い、本来の柔道の精神を教えられ、感銘し、日本を訪れることにしたそうです。当時のウェールズの山は悲惨な状況で、それと比較し日本の自然に感動したそうですが、その後、実は日本の森も破壊されていると知り、どうにかしないといけないと、メディアを利用して働きかけたりしたそうです。しかし結局なかなか好転せず、では自分で森を作ろうと、黒姫の荒れていた森を購入し、森に詳しい一人の日本人を雇って、二人で森を一生懸命再生させたそうです。講演の最後に、森が障害者や心に傷を受けている子供にどんなすばらしい癒しを与え、元気にしていっているかの映像が流されました。しかもニコルさんの生の豊かな歌声とともに。 

講演会は大成功で、森が生命のサイクルを成す重要な役割を担っていることを教えてくれました。わたしは、ニコルさんの堪能な日本語に驚き、しかも、ユーモアも加えて話せるところは、さすがイギリス人、と思いました。感動したことを話すとき英語になっていたところには、ニコルさんの伝えたいという強い気持ちを感じました。お話を聞いていると、森に行きたくなってきますし、それが心の癒しになると改めて気づきました。東京にいると毎日が忙しく、追われるように時が過ぎていきますが、たまには自然の中に身を置いて、心を充たしていこうと思いました。また新たな引き出しをいただいた気持ちです。

一年に一回は、ウェールズのアファンの森に行かれているそうですので、補習校の皆さんがお会いになってお話を聞けるチャンスがあるといいですね!(2010年3月13日)


卒業、修了おめでとうございます


田口知子

 あちこちに花の色が増えゆく季節となりました。ウェールズ補習校第28回卒業生として、小学部を卒業される皆さん、ご卒業おめでとうございます。本日は、日本人会理事長様をはじめ、ご来賓の皆様、ならびに保護者の皆様には、卒業式にご臨席いただき、ありがとうございます。

 さて、先ほど皆さんに卒業証書をお渡ししました。皆さんの晴れやかな表情が、とても立派に見えました。皆さんは日本の小学校へ入学し、イギリスで卒業式を迎えました。日本では体験できないことを、イギリスでたくさん体験し、たくましく成長しているのを感じます。ちょうど二月末に、皆さんが五年生の前でスピーチをするところを見学しました。テーマは、今までに忘れられない出来事についてです。林由斐さんは、五年生の夏に、遠足で行った自然体験学習での体験について、教えてくれました。みんなで何かを一緒にすると、とても楽しくて、時間が短く感じられたそうです。山本朋世さんも、小五の臨海学習を通して、一人ではできないことでも、みんなで力を合わせるとできることを知ったそうです。林さんと山本さんは、友達がとても大切な存在であるということを学びました。それは、二人が、心を開いて、人と関わることができたからだろうと思います。

次に、荒尾宗睦君は、三年生の時の先生の言葉を紹介してくれました。漢字の宿題をたくさん出す先生で、家に帰るのが嫌なほどだったそうです。ある日、先生が宿題を出した時、ある子が「えー」と言うと、先生が次のようなことを言われました。「今やっていることは、勉強の準備なんだよ。だから、準備をちゃんとしなければいけないよね。本を読むことは勉強です。でもそのためには漢字が読めなければいけないから、今こんなに漢字をしているんです。」みんなは、「他にどんなことが勉強ですか。」「今やっていることは、どんなことが勉強なんですか。」とたくさん質問をしたので、授業の半分がつぶれてしまいましたが、次の日から、やる気が出て、がんばれたそうです。荒尾君は、この春、日本に帰国し、日本の中学校に入学します。この先生の言葉を胸に、日本でも成長し続けて下さい。

下級生の皆さん、中学生の皆さんは、今日が修了式です。これからも、友達と一緒に力を合わせて、すばらしい思い出を残していきましょう。そして、しっかりと勉強しましょう。義務教育の学習内容は、皆さんの生きる力の土台となります。時には苦手な勉強もあるかもしれませんが、そこでがんばっておけると、きっと後で「勉強しておいてよかった。」と思える日が来ます。これからも、先生たちは、皆さんの成長を応援しています。(2010年3月20日)

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