補習校便り 2010年4月

補習校だより 2010年4月

入学進級おめでとう

田口知子

小学一年生の9人の皆さん、入学おめでとうございます。早く皆さんと一緒に勉強したり、遊んだりしたいなあと、待っていました。皆さんも、入学式が、とても楽しみでしたか。それから中学一年生のお二人も、中学部へのご入学、おめでとうございます。中学生の仲間入りをして、はりきっていることでしょう。

 ウェールズ補習校の入学式は、今回で第29回目となります。一回目の入学式は、1982年に行われました。その時の生徒数は、51名でした。クラスは6つで、6人の先生がいました。その後、一番多い時で、130名の生徒がいました。どんな学校だったのか、想像できないかもわかりませんね。今の人数は、ウェールズ補習校ができた時とほぼ同じです。
昔に比べると、皆さんはとても恵まれた環境で勉強をすることができます。例えば、勉強に使う道具や図書室の本も、たくさんそろっています。広い運動場や教室もあります。来年は、創立30周年を迎えます。ここで、補習校ができた頃の初心に戻り、補習校がどんな役割をする所か、一緒に考えてみましょう。

 それでは、皆さんに一つ質問をします。皆さんは、どうして補習校に通うのですか。お家の人に言われたからですか。自分で、勉強しなくてはいけないと考えているからですか。日本人のお友達と、仲良く勉強したり遊んだりしたいからですか。日本語の本がすらすら読めるようになりたいからですか。人前で、きちんと話ができるようになりたいからですか。補習校は勉強をする所です。宿題もあるし、勉強が難しくて、補習校に通うのは楽しい時ばかりではないと思います。最初はお家の人や先生に言われて始めたことでも、続けていると補習校がとても大切な場所だと分かってきます。皆さん一人一人が、こんなことができるようになりたいという目標を持って、補習校でがんばれることを願っています。先生たちも、皆さんをしっかりと手助けしますから、困った時は相談して下さい。

 上級生の皆さんは、これから良き先輩として、力を発揮して、新入生を温かくリードして下さい。
 保護者の皆様、お子様のご入学、おめでとうございます。これから教職員一同、責任をもって、お子様の教育にあたりますので、ご家庭でもご支援のほど、どうぞよろしくお願い致します。最後になりましたが、ご来賓の皆様にも、感謝申し上げるととともに、これからも本校の教育を温かく見守っていただけますよう、よろしくお願い致します。
(2010年4月10日)

家庭学習の役割

田口知子

新学習指導要領が、小学校では来年度から全面実施されます。今回の改訂は戦後6回目の全面改訂です。教育の基本理念を定める教育基本法、学校教育法が改正され、それを受けて学習指導要領が改訂されました。昨年度と今年度は、移行期間として、理数教科で指導内容が増えています。それが、初日に配布した教科書の追加冊子です。算数、数学は年間を通して、該当する単元のところで、随時使用していきますので、紛失しないようにして下さい。

 日本の小学校では、指導内容増加に伴い、昨年度から既に、一年間に約20時間、算数の授業時数が増えています。(国語は来年度から増えます。)授業時数は、新学習指導要領では次のように規定されています。国語は、小1(306コマ)小2(315)小3,4(175)小5,6(175)中1,2(140)中3(105)、算数、数学は小1(136コマ)2~6(175)中1,2(140)3(105)です。小学校では1コマ45分、中学校では50分です。週当たりの授業時数で見ると、小学1,2年では国語は8コマ、3,4年は6.7コマ、5,6年は5コマ、算数は小1が4コマ、2~6年は5コマとなり、小学校では国語と算数は、ほぼ毎日授業があります。本校の授業日数は、毎年41日で授業時数は変わりませんから、指導講師が、追加内容に配慮して年間計画を立てています。

 本校の授業時数は、日本の学校に比べてどのくらい充足しているのでしょうか。コマ数を実質時間に直して比べてみると、国語は、小1年(36%)2(35%)小3,4年(40%)5,6年(57%)中1,2年(71%)3年(95%)、算数、数学は小1年(59%)2~6年(46%)中1と中3(57%)中2年(76%)です。

充足率だけを見ると、日本の学習カリキュラムを全部消化しきれないのではないかと、ご心配になられるかもわかりませんが、悲観される必要はありません。レポートの書き方や、基本の計算などは、現地校でも学習しています。また、勉強に取り組む姿勢や日常的な学習習慣は、週一回の補習校だけで身につくものではなく、現地校で努力している成果が、補習校に反映されます。同時に補習校でがんばったことは、現地校の学習にも生かされます。例えば、唱えて覚える日本の九九を使って、計算力を発揮したり、補習校の数学が現地校の先取り学習になることもあります。子供たちの学力は、根気強く勉強と取り組む姿勢や、学習に対する好奇心、疑問を解決するために考える習慣といった、あらゆる側面で伸びていくものです。つまり、普段の生活態度のすべてが、学力の素地になります。

 そうはいっても、補習校の授業で足りない部分があるのは、事実です。毎週習う漢字は、家庭でこつこつ練習することが必須です。語彙力も、日頃から文章を読み書きする中で培われます。算数、数学では、繰り返し問題を解いて、ミス直しをしていく過程が、学力アップにつながります。補習校で授業を受けていれば、自然に国語と算数数学の力がつく、というわけではありません。土曜日の補習校は、週に一回だけの点の学習です。点と点をつないで線にしていくのが、家庭学習です。家庭は、第二の学校であり、保護者が先生です。たとえ、高学年になって、そばについて手取り足とり勉強を見る必要がなくなっても、子供任せではなく、時々は教科書やノートをご覧になってみてください。返却されたテストは、お子様の学習状況と弱点を知る材料となります。保護者の皆様には、お子様が補習校で、今何を学習しているか、どんなことができるようになってきているか、何が弱点で、これからどんなフォローが必要か、常に関心を持っていていただけますようにお願い致します。学級通信などでも、そうした情報が発信されます。家庭と学校とが連携して、お子様をしっかりと見守り、可能性を育てていきましょう。どうぞよろしくお願い致します。
(2010年4月24日)

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