補習校便り 2010年7月

補習校だより 2010年7月

算数、数学の学習目標

田口知子

 単元テストは、自分の弱点や理解不足のところを発見するために行っています。ですから、得点よりもテスト後の間違い直しが大切です。しかし、生徒達はどうしても得点が気になります。そこで、テスト勉強に全力がつくせたかどうか、自分にできることをやりぬけたかどうか、結果よりも過程が大切だという話をします。例えば、宿題プリントの間違いは、どんな間違いをしたのか確認しながら解き直す、ミスノートの問題を再度、解き直す、教科書の例題を答えの部分を隠して、もう一度ノートに書いて解いてみます。しかし、いざ実行するには、訓練と努力が必要です。「数学は反復練習と暗記なり。数学は忍耐力なり」という数学標語を作って、生徒たちを励ましています。

 算数、数学の学習目標は、問題ができるようになることです。テストをすれば、理解度は一目瞭然ですから、教える側にとっては、結果よりも過程が大切などとのんきなことは言っていられません。点数が不調だと、指導のとりこぼしはないかと心配になります。しかし、学力は週一回の授業だけで、伸ばせるものではありません。欠席して抜けた部分は、家庭でフォローしていただき、毎週出される宿題を全部仕上げてくることが基本です。学年が上になれば、間違った問題の解き直しや反復練習が、欠かせません。教師は、宿題プリントや小テストなどを通して、常に生徒の理解度を把握し、時間がある限り、弱点補強を行い、ご家庭にもフォローが必要な点をお伝えしています。このように、いろいろな手段で、得点アップを図りますが、得点至上主義になってしまっては、算数数学のおもしろさを伝えていくことはできません。答えが出たからそれでよし、ではなく、答えにたどりつくまでに、いろいろな解き方があることをクラスで考え合ったり、自分の考えを他の人に説明したり、チャレンジ問題と取り組んだり、学習がおもしろいと感じられる場面を作り出していくことも、大切な要素です。

 これは、ある高校の数学教師の話です。高校3年の授業で「2を63回かけた数を3で割った余りは何か」という入試問題をとりあげました。答えは、ある方法で、暗算で解けるらしく、その方法を授業で説明しました。授業後、一人の生徒がノートを見せに来ました。そこには、なんと2を63回かけた値、9223372036854775808が書かれていたそうです。その教師は、思わず感動したと言います。その数の大きさに、そして受験を控えた中でこんな作業を楽しむゆとりを持ったその生徒の強さに。
(2010年7月3日)

田口知子

 文部科学省の学習指導要領には、算数・数学の目標が次のように書かれています。「算数的活動を通して、数量や図形についての基礎的・基本的な知識及び技能を身につけ、日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え、表現する能力を育てるとともに、算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気づき、進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる」 「数学的活動を通して、数量や図形などに関する基礎的な概念や原理・法則についての理解を深め、数学的な表現や処理の仕方を習得し、事象を数理的に考慮し表現する能力を高めるとともに、数学的活動の楽しさや数学のよさを実感し、それらを通して考えたり、判断したりしようとする態度を育てる」

 小学校では来年度から教科書が新しくなります。算数では、昨年度から新学習指導要領の一部を前倒しして、学習内容が増えています。(例 小3では3けたと2けたのかけ算、小4では100分の1の位までの小数の計算、小5ではひし形と台形の面積の求め方、小6では角柱と円柱の体積の求め方、拡大図と縮図、反比例など)また言葉や図、式を使って考えたり説明したり、普段の生活に結びつけたりする力を身につけるために、新たに「算数的活動」という分野が設けられました。例えば小1で三角形や四角形などの平面図形を身の回りで観察したり、絵や図を用いて数と量を表現したりします。文章問題を解く過程を、まず、次に、最後に、だからという言葉をつなげて発表するパターンを掲載した教科書もあるそうです。巻末に、切り取って使える付録のような物をつけたり、分度器で身の回りの角度を測るなど、体を動かして算数を学ぶ工夫もなされています。

 ご家庭では、低学年の間に、親と買い物に出かけた時に、重さの表示を見たり、時計で時間を確認したり、日常生活の中で算数が身近に感じられるようにしておくことが、算数の素地を作ります。学年が上がるにつれ、間違い直しを大切にし、きめ細かい学習を続けていきましょう。
(2010年7月10日)

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