補習校便り 2010年9月

補習校だより 2010年9月

遠足に行って

田口知子

 今回のBig Pit の地下坑道ツアーは、大人にとっても興味深く、教師からもおもしろかったという感想が出ました。坑道と地上をつなぐエレベーターは、1980年に閉山するまで、実際に使用されていた物です。腰にバッテリー、頭にライトつきのヘルメットをかぶって、坑道を歩きながら、昔ここで石炭を掘っていた人々の苦労を体感しました。途中、要所要所で、昔の工具(つるはし等)やトロッコ、馬小屋を見ながら、元炭鉱夫さんの説明を聞きました。またメタンガスと一酸化炭素の危険性についても、ガス検知器ランプと炎の色のチャートを使って、教えてもらいました。ポニーが、一年間に二週間だけ地上で休暇を過ごせた話や、八歳の子供がドアの開閉をしていたという話を聞いて、過酷な現場であったことに驚きました。今回は立ち寄る時間がありませんでしたが、すぐ近くに製鉄博物館もあり、この辺り一体は2000年にBlaenafon Industrial Landscapeとして世界遺産に登録されています。産業革命の歴史を知る興味深い場所です。

 遠足は、地元の地理や歴史を知る社会学習になるだけでなく、縦割り斑で行動することで、上下の学年間の交流が生まれ、先輩意識が育ちます。例えば、班員の名前を紙片にメモしてきた男子生徒、坑道で手をつなぎ小1のスピードに合わせて、気長にゆっくりと歩いてあげていた女子生徒。それから、小柄な小1にはバッテリーが重く、私がずっと片手でバッテリーを持ち上げながら、横を歩いていたのですが、ヘルメットで頭がかゆいとブツブツ言うと、兄が横に来て、「ちゃんとかぶってないとだめだろ。」と注意。弟思いの頼もしいお兄ちゃんです。また、ガイドさんの説明が分からず「今なんて言ったの」と聞く低学年児童に、「これで石炭を掘っていたんだよ。ほら、これが石炭のかけらだよ。硬いだろ。」と、先生よりも先に説明してくれた児童もいました。アクセントのある英語を、よく聞き取れていることに感心しました。

 地下ツアーの後は、展示室横の広い部屋で、お弁当を食べました。お弁当の一部を床に落としてしまった低学年児童が、持ってきたごみ袋に全部きれいに拾い集める姿に感心した先生もいました。お家でもよくお手伝いをしているのでしょうか。また、食後、ソファーの所でくつろいでいる大きなお兄さんへ、小1男児がじゃれついて、一緒に遊んでもらっている姿が目に留まりました。あんなふうにいつも、お父さんと遊んでいるのかもしれません。教室を離れると、普段とは異なる生徒達の顔を見ることができるのが楽しいです。時にはご家庭での様子が想像されたり、遠足は、教師にとって子供を知る貴重な機会になっています。 (2010年9月18日)

興味関心のタネまき

田口知子

 8月19日、20日にサマースクールを開催しました。今年度の参加者は、児童生徒18人+年長幼児3人、お母様12人でした。

 今回から、調理実習の時間だけでなく、基本は親子参加型のプログラムで計画しました。おもしろ学習は、去年の砂糖に続き、今年は塩について、台所サイエンスと取り組みました。いろいろな種類の塩を観察後、塩の製法について学び、最後に塩水が水よりも重いことを目で見て確認する実験を行いました。二日目は、クリームと水から何ができるかの実験です。びんにクリームと水を各50cc計り、氷を入れて水温を10度にし、10分ほど振ります。計量は算数の勉強にもつながります。砂糖が入らないので、アイスクリームとマシュマロは違う、油が入らないのでバターは違う、と理由づけされた予想が子供たちから出たことに感心しました。家で、クリームの種類を変えて予備実験をした時とは大違い。当日は条件がよかったのか、それぞれのびんにピンポン玉くらいの量ができあがり、目をみはりました。さっそく、できたものをパンにつけて食べてみました。実験の途中で、ヨーグルト、クリーム水という答えも登場しましたが、最後にできあがったものは、バターです。用意してあったパンは、あっという間になくなって、予想外のうれしい結果でした。

 民芸調のペン立ては、二日間かけて取り組みました。一日目は紙の折り染めです。三種類の三角形折で、対称模様ができます。折り方によって花びらの数が、4、6、8、12と変わるのもおもしろい点です。二日目にこの紙を使って、ペン立てを作りました。1時間45分、かなり集中力を要しましたが、幼児も低学年児童も、お母さんや中学生の助けで、最後までがんばって完成させることができました。

調理実習では、カレーライス、中華サラダ、水ようかんを作りました。二日目の午後は、硬筆書写で、右上がり六度法を使って美しく字を書く練習をしました。放課後はスポーツタイムです。親子でゲームとドッジビー対戦をしました。

 ご参加くださったお母様方、本当にどうもありがとうございました。調理実習においては、事前に細かく打ち合わせて、食材と調理道具を準備してくださり、とてもスムーズに進みました。うまく固まらなかったオレンジゼリーは、翌日冷凍シャーベットとして登場。思いがけないおやつにみんな大喜びでした。なぜ固まらなかったのか、家で再挑戦してみた生徒がいたら、うれしいことです。またいつか、オレンジゼリーにトライしてみてもよいですね。あるいはおもしろ学習で、扱ってみることもできそうです。子ども達の心に興味関心のタネを残してくれることを願って、これからも補習校でいろいろな活動を計画していきたいと思います。  (2010年9月25日)

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