補習校便り 2011年2月

補習校だより 2011年2月

学習発表会に向けて

田口知子

 2月19日の学習発表会に向けて、どの学年でも準備が始まりました。先週の二時間目の後半、配達するプリントがあり小3の教室に行った時のことです。ちょうど学習発表会について、みんなで話し合っているところでした。ステージのどこに、何を用意するか、アイデアを出していました。みんなで決めた出し物らしく、みんなの心が一つの目標に向かって、走り出しているように感じられました。

 その時、担任の河合先生が「学習発表会で大切なことが分かりますか。発表は、何のためにするのでしょうか。」と質問をなげかけました。すると、「楽しい発表をすること」「自分たちが楽しむこと?」河合先生がうなずきながらも、黙って聞いているので、お互いに顔を見合わせて「みんなを楽しませるため?」でも、それはまだ河合先生が期待する答えではないようです。また少し考えて「習ったことのしめくくりかな?」「あ、成長?」
 児童の意見交換を興味深く聞いていると、河合先生が「それでは、校長先生に聞いてみましょう。」なるほど、最初からそれを意図した質問だったようです。そこで、丁寧な言葉できちんと質問してもらってから、答えました。「皆さんも考えたように、一つ目は一年間の学習のまとめです。次に人前できちんと話し、他の人たちの発表を聞く練習をするためです。」三つ目は、皆さんへの願いがあると言って少し間をあけると、何だろうという顔で次の言葉を待っています。「それは、皆さんに自信を持ってほしいということです。みんなでこれだけのことができた、一人でこんなことができたと思える発表になるといいですね。」

 10分程度の教室訪問でしたが、児童と心の交流ができたのがうれしいひとときでした。それぞれの学年に合った目的意識や自己の努力目標を持って、発表活動に取り組めるとよいですね。

 学年末に行う学習発表会は、一年間の学習指導、学級指導の成果が結集したものです。発展学習の延長線上に位置づけられた学習発表会を、児童が楽しいイベントだと感じている点は、良いことです。クラスで協力し、積極的に取り組んでいってほしいと思います。ただ、学習発表会は、教科書学習と並行して準備していきますので、発表会のためにかけられる授業時間は限られます。出し物が決まれば、小道具や原稿の準備、読みの練習は、家で取り組むことになります。ご家庭でも、お子様を応援し、支援してくださるようにお願い致します。意義深い学習活動ができることを期待しています。(2011年2月5日)

学力を伸ばすために家庭でできること

田口知子

 子供に学力をつけることは、親と教師の共通の願いです。そのために、親と教師は子供に対して、効果的な言葉かけと適切な支援をすることが不可欠です。特に、子供が、何かに失敗したり、つまずいたりした時こそ、子供にとっては絶好の学習チャンスです。
 例えば、読み書き・計算においては、間違いをそのままにしないで、間違い直しをさせます。間違い直しの習慣が身につくまでは、親に忍耐力が求められますが、学校と家庭とが協力して習慣づけをしていくとよいです。

 こうした読み書き・計算能力を、見える学力とするならば、見える学力を根底で支えているのが、見えない学力です。例えば、知的好奇心や向上心、コミュニケーション能力、集中力、思考力、忍耐力、体力など、勉強の質に関わる全ての力が、この見えない学力になります。学力をこのように幅広くとらえて考えれば、子供たちの日々の生活が学力づくりの柱になっていると言えます。

 よく言われることですが、学力伸ばしの基本は、まず規則正しい生活をすることです。毎日決まった時間に、一定時間勉強をする習慣をつけておくことが大切です。低学年の間にこうした学習習慣ができていれば、高学年になって根気のいる学習が増えてきても、苦労しないでこなしていくことができます。次に、家のお手伝いをすることも、大切です。誰かの役に立つ経験をすることで、人とうまく関わることを覚え、コミュニケーション能力が高められます。また勉強をしていても、夕食の時間になったら、テーブルのセッティングをするというように、頭を切り替えて、段取りをする力もできてきます。最初は言われたことをしていても、次に何が必要か、自分で考えて動けるようになれば、すばらしいことです。それから、よく遊び、よく学べという言葉通り、体を動かして元気に遊ぶことも、大切な時間です。体力づくりはもちろん、友達づきあいを通して、コミュニケーションの方法を学び、遊びを工夫しながら、考える力や発想力も養われます。

 最初の話に戻り、子供の学力を伸ばすためには、親と教師が日頃からどんな言葉かけをするかが重要です。以前、教員研修会で、補習校教師が言ってはいけない言葉禁句10選について、指導講師の先生から紹介していただきました。子供が傷つく言葉、意欲を失わせる言葉、否定的な言葉の類です。親が言ってはいけない言葉もこうした言葉の類ですが、具体的にはどんな言葉でしょう。

 ある小学校で、親がよく口にする言葉を子供に聞いたところ、一番多かったのが「ハヨシイ」二番目が「ベンキョウシイ」三番目が「だめね」といった否定的な言葉だったそうです。別の学校の調査では、一番目が「ハヨ勉強シイ」二番目が「ハヨ寝エ」三番目が「忘レモンナイカ」だったそうです。父親の場合は「ヤカマシイ」「ウルサイッ」「シズカニセエ」次が「ベンキョウシタンカ」口癖にはしたくない言葉です。子供には、一言ガンと言った方が効果的な場合も、ありますが、いつも一方的に命令されたり指示されてばかりだと、子供は自分で考えることをせず、受動的になってしまいます。子供に発する言葉の質は、子供の言語能力の発達にも関わります。単語だけの短い言葉のやりとりではなく、「それで」「だから」「しかし」「けれども」のような接続詞を意図的に会話に取り入れていると、子供は耳からこうした言葉の使い方を覚えていきます。論理的思考力は、こうした身近なところから育っていきます。

 最近、とても素敵な「言葉」に出会いました。ある試験に不合格だった子供に、お母様がおっしゃったそうです。「今回は、落ちてよかったのよ。もしぎりぎりで合格していたら、甘い気持ちのままでいたかもしれないでしょ。ここでもう一回がんばり直せば、さらに力がつくでしょう。」子供の可能性を信じる言葉に、敬服しました。見える学力だけにとらわれず、学力全般を育てるためには、日頃の言葉かけがカギになります。 (2011年2月19日)

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