補習校便り 2011年3月

補習校だより 2011年3月

新聞を利用しよう

田口知子

 来週は、いよいよ今年度の最終日となります。過ぎてみると、一年間は本当に早いものですが、振り返ってみれば先生方や子供たち、保護者の皆さんそれぞれに、奮闘続きの日々であったと思います。休みを返上して、毎週土曜日に通学することも、現地校の勉強と両立させながら補習校の勉強を続けることも、努力を要することです。一年間のお子様の成長ぶりが実感できるこの時期に、親子で、よくがんばったねとお互いの努力を褒め合ってみてはどうでしょう。そうしたことからも子供たちの心に、周りの人たちへの感謝の気持ちが育つと思います。

 話は変わり、先週朝会の後で、お一人のお母様が、毎週持参している子供用新聞を手にとって、ご覧になられていました。たまたま通りかかって目についただけなのかもわかりませんが、子供たちの読む物に関心を持っていただけたことがうれしい光景でした。新聞は掲示コーナーに置きますので、ご自由にご覧下さい。朝日小学生新聞は個人購読していますが、四月から一年間、補習校の方で朝日中学生ウィークリーを注文していただけることになりました。授業や宿題などに、しっかりと活用します。

 小学校では2011年度から新聞を使った学習が始まります。新聞を利用した効果的な学習方法について、明治大学文学部教授の斉藤孝氏が、次の方法を提案しています。

「情報があふれる現代社会で、情報を見分ける力をつけるために、記者がどんなねらいで記事を書いたのか、事実と意見に分けて読むくせをつける。新聞記事をノートにスクラップして、赤や青のマーカーペンで印をつけ、記事を選んだ理由や感想、意見などを書いておく。周りの人にニュースの内容を話せば、論理的に考えをまとめる力や表現力が身につく。おもしろいニュースを見つけたら、家の人に話しかけてみるとよい。受身でなく、積極的にかかわることで、ニュースがもっと身近に感じられるようになる。」

 夕食後の15分間を新聞タイム、あるいはニュースの時間といったように、ご家庭で工夫して家族全員で習慣化すれば、長続きするでしょう。社会に目を向けるようになれば、作文の内容にも幅が生まれます。春休みにニュースのスクラップなど自由課題として、取り組んでみてはどうでしょうか。例えば、心に残った記事を切り抜いて家族の感想をメモしたり、日本語の新聞でなくても、英字新聞で心に残った写真を切り抜いて感想を書く方法もよいです。ネットでニュースを入手することもできます。短いコラムを書き写すのも、読む力・書く力をつけるのに役立ちます。何かおもしろい取り組みをしたら、ぜひ教えて下さい。(2011年3月12日)

卒業、修了おめでとうございます

田口知子

 水仙の黄色い花が一斉に咲き始め、春の訪れを感じます。本日、ウェールズ補習校にとって第29回目の卒業式を迎えました。御来賓の皆様、保護者の皆様にご列席いただき厚くお礼申しあげます。

 6名の小学六年生の皆さん、3名の中学三年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。未来に向かって、皆さん一人一人がりっぱに成長し続けていることを大変うれしく思います。これまでの補習校生活で、皆さんはいろいろなことを学んで、成長してきました。今、卒業式に臨んで、いろいろな出来事が心に浮かんでくることでしょう。私にも、皆さんと一緒に過ごした日々の思い出が、心に残っています。

 卒業にあたって、私の思い出の中から一つを選んで、お話しします。それはある日の授業でのことです。生徒の一人が問題の解き方を白板に書きながら、「高校で勉強して、その後は大学に行って会社に就職。これが自分の未来だな。」とつぶやきました。そこで私は言いました。「分からないですよ。皆さんにはいろんな可能性があるのだから。教師とか、イラストレーターとか。」すると、問題を解いていた手を止めてもう一人の生徒が「僕、教師には絶対なりたくないな。」と言いました。理由を聞くと「最近の子供は難しいからねえ。」思わず私は笑ってしまって「自分も子供じゃない。」と言うと「だから、僕、教師という仕事を尊敬してます。」思いもしない言葉でした。さらりと聞き流したように見えたと思いますが、本当はその時、私はとても感激していました。教師という仕事を尊敬していると生徒から言われたのは、初めてです。これからきっとこの言葉は、私の心の中を明るく照らし続けてくれるでしょう。素敵な言葉をありがとう。

 このように言葉は、人を元気づける大きな力を持っています。皆さんが人から言われてうれしい言葉は何ですか。どうか言葉を大切にできる人でいて下さい。

 在校生の皆さん、先輩達に教えてもらったことを今度は皆さんが後輩達に伝えていって下さい。最後になりましたが、これまでお子様を温かく見守り育ててこられた保護者の皆様、本日は誠におめでとうございます。本校に対するご協力やご支援に心からお礼申し上げます。今後ともお力添えのほどどうぞよろしくお願い致します。(2011年3月19日)

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