補習校便り 2011年4,5月

補習校だより 2011年4,5月

入学進学おめでとう

田口知子

 今日は、ウェールズ補習校の第30回目の入学式です。小学一年生と中学一年生の皆さん、ご入学おめでとうございます。小学一年生の皆さんは、これから補習校でどんなお勉強をするのか、とても楽しみにしていることでしょう。中学一年生の皆さんは、今日から中学生の仲間入りをしました。小学校で学んだことをもとに、自分の可能性をしっかりと伸ばして下さい。

 今日は入学を祝って、一つ詩を紹介します。まきたしんじさんという人が書いた詩です長い詩なので、私が一番好きな部分を紹介します。

 「うつむきうつむき そうっと上げた手 はじめて上げた手 先生がさした。どきりと胸が大きくなってどきどきっと体が 燃えて立ったとたんに忘れてしまった。なんだかぼそぼそしゃべったけれども、何を言ったかちんぷんかんぷん。私はことりと座ってしまった。体がすうっと涼しくなって、ああ言やあよかった、こう言やあよかった 後でいいこと浮かんでくるのに。」

 自分にもそういうことがあるなあ、という人はいますか。発表する時は、誰でもどきどきしますね。

 続きはこうです。「それでいいのだ。いくどもいくども おんなじことをくりかえすうちに それからだんだんどきりがやんで、言いたいことが言えてくるのだ。はじめからうまいこと言えるはずないんだ。はじめから答えが当たるはずないんだ。なんどもなんども言ってるうちに、まちがううちに 言いたいことの半分くらいは、どうやら言えてくるのだ。そうしてたまには答えも当たる。」どうでしょうか。皆さんもそのとおりだと思いますか。

 「まちがいだらけの僕らの教室。おそれちゃいけないワラッちゃいけない。安心して手を上げろ。安心してまちがえや。まちがったってワラッたり、ばかにしたりおこったり、そんなものはおりゃあせん。まちがったって誰かがよ、なおしてくれるし教えてくれる。困ったときには先生がない知恵しぼって教えるで。そんな教室作ろうやあ。」

 これは「教室はまちがうところだ」という題名の詩です。補習校は友達と一緒に、勉強をする所です。教室では、友達の意見をよく聞きましょう。きっと自分では気がつかなかった発見があるはずです。そして、あなたの考えもお友達に教えて下さい。発表する勇気が出ない時は、教室はまちがってもいい所なんだということを思い出して、みんなで学び合っていける教室にしましょう。(2011年4月9日)

今年度の学校運営方針について

田口知子

 小学校の教科書が改訂されました。二年間の移行期を経て、今年度より新指導要領に基づく学習が始まります。国語科は、これまでの「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の指導に加えて、「伝統的な言語文化の特質に関する事項」が新設されています。

これは、伝統的な言語文化に親しむ態度を育てたり、国語の特質についての理解を深めたり、豊かな言語感覚を養ったりすることなどを重視したものです。低学年では、昔話や神話・伝承などの本や文章の読み聞かせを聞いたり、発表し合ったりします。中学年では、易しい文語調の短歌や俳句について、情景を思い浮かべたり、リズムを感じ取りながら、音読や暗唱と取り組みます。またことわざや慣用句、故事成語なども登場します。高学年では、親しみやすい古文や漢文、近代以降の文語調の文章について、だいたいの内容を理解して、音読をします。

また、古典について解説した文章を読み、昔の人のものの見方や感じ方を知ることも、学習のねらいになります。こうした学習が、中学校から本格的に始まる古典学習の下地になります。細かい意味の理解にとらわれずに、言葉のリズムを味わい積極的に音読や暗唱と取り組みましょう。

 また国語算数共に、身に付けた知識を使って、考えたり発表をしたりしながら、知識を活用できる力を伸ばすことも重視されています。

 本校では、今年度、「学び合いを通して学習を深める」ことを学校運営目標に掲げ、全校的に取り組みます。子供同士がコミュニケーションを通して関わり合える場面を、より多く、また効果的に作り出すように授業を計画し、実践内容は職員会などの時間を利用して日頃から情報交換し、指導に役立てていきます。

 また学び合いの基礎になる話す力と聞く力の向上は、学級ごとに学級目標を設定して、段階的に訓練と指導を進めていきます。こうした取り組みについては、補習校だよりや学級通信などで発信し、補習校と家庭とが連携を密にしてお子様の学力向上をめざしたいと考えています。どうぞ、よろしくお願い致します。(2011年4月16日)


話す力の基本になること

田口知子

 話す力の基本は、声が出せることです。まずは大きな声で音読・朗読・暗唱と取り組み、発表への抵抗を無くし自信をつけましょう。これが、教室での学び合い活動を活性化します。内容の読みとりは、すらすら文章を読むことが前提条件です。日頃から、教室でも家庭でも、声に出して読む練習を継続し、国語の基礎学力を伸ばしましょう。

 低学年中学年では、体を使って表現したり、動作化したりすることもあります。声に出し、体で表現することで、「ここは、こういうことだったのか」と黙読では気づかなかったことを発見し、内容の理解が深まります。そして、みんなの声が響き合えば、心地よいハーモニーが生まれます。それが声を出す楽しさにつながり、仲間意識にもつながります。学び合いに大切なのは、どんな考えでも安心して発表できる雰囲気です。

 このように、音読・朗読・暗唱の活動には、さまざまな教育効果が期待されます。文字や語句を正しく理解し、日本語の持つリズムや響きを体感することで、自然に言語感覚が磨かれます。長い文章であれば、中心になる部分や自分の好きな部分に絞り、その部分を書き写し、どこを工夫して読むか、考えてから(強弱やスピード、間をとるなど、印を入れてみるとよい)読むようにすると、読み方がぐんと変わります。宿題でいつも同じ方法で音読練習をしていると、途中でマンネリ化したり、飽きてしまったりするかもしれません。そんな時は、部分読みに集中したり、親子の交代読みなど、ご家庭でも工夫しながら、取り組んでみられるとよいと思います。日々の地道な基礎訓練を大切にし、国語力の強化をめざしましょう。(2011年5月7日)/SPAN>

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