補習校便り 2011年9月

補習校だより 2011年9月

聞く力を伸ばすために

田口知子

 今年度は「学び合いを通して学習を深める」ことを学校運営目標に、学習活動と指導を行っています。

 活発に学び合うためには、話す・聞く力が不可欠です。自信を持って声が出せるように、一学期は新担任による学級作りと学習の基礎訓練(音読や発表の仕方)の強化に努めました。音読は毎週の宿題として継続し、授業ではスピーチや話し合い活動などの場を作って、発表力の向上をめざしています。今学期も基礎訓練を怠らず、話す・聞く力をしっかりと鍛えていきましょう。

 ではここで聞く力について考えてみましょう。聞く力の向上には、①耳を鍛える訓練と②聞く姿勢を学ぶことの両方が必要です。①耳を鍛える訓練として、低学年では読み聞かせが効果的です。小1ではお迎えの時間を利用して保護者による読み聞かせを、長年継続しています。ご家庭でも、取り組んでいただけますようにお願い致します。語彙力アップと読書の習慣づけにもなります。中学年からは、聞き取りメモのとり方を学び、高学年ではメモをして、自分がどう思ったか主体的に聞く練習をします。②聞く姿勢については、聞き手が話し手に聞いているというサインを送ることを意識させます。例えば、話している人の顔を見ながら、うなずきながら聞いたり、中学年では、わからないところがあったら質問できるように練習します。質問をする場合は、話が区切れた時にするといったルールも指導します。高学年では、自分の新しい考えに結び付けられるように、質問や感想を考えながら聞くように練習します。

 授業では、先生やクラスメートの話を聞くだけでなく、声のテープやビデオクリップなどの視聴覚教材も利用します。中でも生教材は、効果抜群です。それだけで、児童生徒の心をひきつけることができます。この場合、生教材とは、つまり生身の人間のことです。例えば、7月16日に、松井先生のご紹介で、元小学校教員の中野実先生が補習校見学にいらっしゃいました。インタビューの仕方を学習する単元に関連させて、児童が実際にインタビューさせていただいたり、放課後の教員研修会では、日本の教育事情などについて、お聞きすることができ、大変有意義でした。先週は、大学院2年生の星啓太君(補習校に小1で入学し中3で卒業し、日本へ帰国)が8年ぶりに補習校を訪ねてくれました。国語の勉強に苦労した話や現地校でできた友人が財産であること、彼らが日本に遊びに来た時に日本のどんな点に驚いたか、といった話を高学年児童は、興味深そうに聞いていました。お父様と同じ会社に就職が決まったのも、うれしいニュースでした。補習校にいろいろな人が来てお話しくださるのは、大変貴重です。聞く訓練になるだけでなく、普段の学習に変化がつき、視野が広がります。これからも、意義ある教育活動を、授業の内外で工夫していきます。(2011年9月3日)


今年度の学校文集のテーマは「記念」

田口知子

 学校文集の作文に取り組む時期になりました。10月11月は、教科書学習と並行して、作文の書き方を段階的且つ重点的に学ぶ「作文指導月間」です。10月は題材捜しと構成メモ、11月は下書き、手直し、清書(濃くはっきり書く書写の練習をかねる)と、段階ごとに30-45分程度授業の中で時間をとりながら、指導をしていきます。 本校では、1999年から文集のテーマを決めて、全校生徒と教師が共通テーマで作文を書いています。テーマを設定することで、学校文集にまとまりが生まれます。また一つのテーマでも様々な題材があることを知り、題材選びの発想を広げるヒントにできると思います。

 今年は創立30周年記念の年です。そのことも念頭に、今年度の文集のテーマについて職員会で検討した結果、テーマは「記念」に決定しました。低学年は、記念の日(わすれられない日、自分や家族にとって大切な日、誰かと何をした日、何かができた特別な日、初めて何かをした日)や記念の品物などが、題材になりそうです。高学年は、これらの内容に加えて、時事問題に視野を広げて、社会的、歴史的な記念日についての自分の思いや考えを書くこともできるでしょう。また、何かを記念して、「10年後の自分」へ宛てた手紙を書いてもよいでしょう。

 作文を書くということは、自分の気持ちを言葉にすることです。作文を書かなければ、素通りしてしまうような出来事も、記録として残すことができます。これは家族にとっても、宝になると思います。また漠然とした考えも、言葉に表現することで、整理され、明確になります。書くことで、今まで気づかなかった自分の気持ちの奥底が見えたり、新しい考え方を発見できるかもしれません。言葉の力は、漢字や語彙などの知識をインプットするだけでは、伸びていきません。今までに身に付けた知識を総動員して、外に向けて発信していくアウトプットの学習を積み重ねていくことが、不可欠です。知識を実際に使えて初めて、自分の力となって定着します。

 授業ではまず、「記念」のテーマで、どんな題材が拾い出せるか、自由にアイデアを出し合います。クラスメートのアイデアを聞きながら、こんなことも題材になるのかと、発想を広げていってほしいと思います。そのために、ご家庭でも、たくさん会話をして下さい。夕飯の時にでも、「こんなことがあったねえ、あんなこともあったね。」と保護者の話もぜひ聞かせてあげてください。そしてお子様の話を十分に聞いてあげて下さい。作文書きは、まずは会話からです。(2011年9月24日)

ウェールズ日本人会 email
Wales Japan Club All Rights Reserved
www.walesjapanclub.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。