補習校便り 2012年5月

補習校だより 2012年5月

漢字学習への意欲づけ

田口知子

 漢字は、何回も書いて覚えるしかありません。しかしいったん漢字嫌いになってしまうと、鉛筆を持たせるのも、ひと苦労でしょう。そもそも勉強とは、新しいことを習得するためにしているのですから、面倒で難しいものです。遊ぶ方がずっと楽しいにきまっています。それでも勉強は、宿題があるから、親にしかられるから、テストがあるから、などの理由で、しなければいけないからするわけです。できることなら、漢字の勉強は楽しく前向きに続けられるようにしてあげたいものです。

 そのためには、親と教師が手を変え品を変え、子どもの意欲を引き出す努力をすることです。漢字を何回も書きなさいと強制されては、漢字の勉強が苦になってしまいます。漢字を書かせようと奮闘するよりも、大人も子どもと一緒に、漢字の成り立ちのすばらしさを知ることの方が効果的です。大人がおもしろいと思うことは、子どもにも伝わります。「漢字の成り立ち辞典」を開いて、私は、漢字がいかに論理的にできているか、感動しました。子どもと一緒に、大人も漢字の勉強をしてみると、案外漢字のおもしろさが発見できます。次に、使える漢字が増えていくのが、うれしいと思う体験をさせてあげることです。例えば普段は苦手とする漢字テストで、初めて100点がとれたらどうでしょう。子どもの喜びはどんなに大きいことでしょう。下の学年の漢字テストや、親が作る5問テストでよいのです。100点をとらせてあげるのです。やった、できたという体験は、これだけのことをすれば、できるのだという学習の目安と方法を子ども自身に分からせてくれます。そして、三つ目は、漢字が使えて便利だということを実感できる機会を作ってあげることです。例えば、日本にいる人達に、お礼状や誕生日のカードなどを書かせてみます。前よりも漢字が多く使えていたら、ほめてあげることができます。返事が来たらさらにうれしいでしょう。

 このように、大人が漢字のおもしろさと便利さを子ども達に伝え、ほめて励まし続けていれば、漢字に対する学習意欲が少しずつ育っていくはずです。

 学習とは学び習うこと。辞書には「学ぶ」は「まねぶ」と同語源で、経験することによって知る、まねるとあります。習うは、教わったことをくり返し練習して、身につける、慣れ親しむとあります。授業で新しく知った漢字は、家で練習して書き慣れていかないと定着しません。漢字学習に近道はありません。手を変え、品を変え、根気強く、子どもの意欲を育てていきましょう。(2012年5月19日)


先週のコーヒーモーニングから

田口知子

 先週のコーヒーモーニングは、13人のお母様方と一緒に、運営委員長さんと副運営委員さんを囲んで懇談しました。

 今回は、運営委員長のKさんから、三人のお子様が補習校に通われていた当時のお話や帰国後のお話について、お聞きしました。イギリス育ちの子どもが、日本の学校にスムーズになじめるか、アイデンティティの問題と言葉の習得、海外の大学進学を考えることは無かったか、現地校と補習校の勉強の両立と帰国後の進路、小学校中学年の学習で重視すべきことなどが主な話題になりました。

 三人三様、それぞれの道を選択されたことから、子どもに合った勉強の方法とか進学の道を捜すことが大切だというお話を具体的にして下さいました。また補習校の勉強は、時間がたつと忘れてしまうので、宿題をもらったら、それをコピーし、忘れた頃にもう一度させていたそうです。家庭学習はお母様がおもに担当されていましたが、上の兄弟が練習し終わったプリントを、下の子どもに使い回すために、消しゴムで消す作業は、よく家で手伝われたそうです。「消しゴムがすぐになくなるんですよ」このような舞台裏があったとは。私も今回初めてお聞きしました。また高学年になると現地校の勉強との両立や反抗期という難しさも出てきます。小学校の時は物でつることもあったそうです。それと同時に、低学年中学年の間は、勉強は避けられない、しなければいけないものという環境を家庭で作ってしまうことが大切です。

 学習意欲を引き出すには、励まし、評価しほめてくれる人の存在と、達成感や分かる喜びなど内面的な体験が、必要です。そして、何よりも大きな存在が、友達です。親や先生の言葉より、友達に感化される部分が大きいです。そこに、学校で友達と一緒に学ぶ意義があります。補習校は、その名前の通り、週一回、学習を補う場所です。平日家庭学習をしっかりとこなしていないと、学力は定着しません。「補習校は、学習のきっかけを与えてくれる大切な所で、補習校の存在はとても大きい。」とKさんも強調されていました。副運営委員長のIさんは、ご自身のお子様の教育を例にとり、部活などでできる仲間の大切さについてお話しくださいました。現地でできる友達は、帰国後も電話を通して、英語力維持に力を貸してくれます。Kさんも、短期留学など帰国後もいろいろな経験を積ませてあげるように配慮されたそうです。結果的にそれが社交性を育て、就職活動にも生かされたようです。(2012年5月26日)

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