補習校便り 2012年6月,7月

補習校だより 2012年6,7月

効果的にほめる

田口知子

 教職歴40年の大先輩から、これまでの教育実践を通してつかんだことは、「教育とは伸びる素質を育てること」だとお聞きしました。「子どもには一人一人の良さや可能性がいっぱいあり、その良さや可能性を伸ばす支援をするのが、教育の仕事であり、子どもの伸びる素質を育てるには、子どもに心のこもった支援を継続して行うことが大切である」今でも心にお話です。子どもの意欲を引き出す「みはほ」の法則についても、教えていただきました。つまり「認める、励ます、ほめる」です。

 ウェブや新聞のコラムなどで、「親力」を説く小学校教師の親野智可等(オヤノチカラ)氏も「子どもを伸ばすコツはほめることです。これしかありません。これにつきます。子どもをほめない親や教師は、子どもを伸ばすことはできません。」と力説しています。
 ほめるといえば、2010年2月にスタートした「ほめ達!検定」が最近、話題になっています。日本ほめる達人協会が行う検定試験で、ほめる達人1級の取得者は、全国にまだ5人しかいないとか。一番下は3級で、試験には次のような問題が出ます。「自分が言われてうれしい言葉を30書き出して下さい」「一般的な短所を長所に言い換えて下さい。例えば、わがまま」「周りの人のすばらしい点を捜して、具体的に書き出して下さい」ビジネスで活用するばかりでなく、最近は子どもへのほめ方を学ぶ主婦も増えてきているそうです。
 ほめ検のサイトを見ると、子育てに使えるほめテクがいくつか紹介されています。例えば「テスト勉強がんばっているね、尊敬するわ」と尊敬の気持ちを表すこと。次にヒーローインタビューも効果的です。運動会で1等をとった子どもに「すごいね、何がポイントだったの」と聞く。

そして、ほめる時はすかさずほめます。ただし、「ほめっぱなしは、叱りっぱなしよりも悪い、ほめてモチベーションをあげても、使い道を教えてあげないといけない」と注意点もありました。

 ほめ言葉3Sは「すごい、さすが、すばらしい」女性ならこれに「素敵」が加わります。しかし日頃からほめ言葉をストックしておかないと、すぐにマンネリ化してしまいそうです。イギリスに来て、英語学校の先生がとてもほめ上手だったことを思い出します。学習シールにも、very good , super, brilliant, excellent, greatなどいろいろな言葉がつけられています。

 特別にほめなくても、「助かった、ありがとう」という言葉も、ほめ言葉になるので、お手伝いをしてくれた時などは、しっかりとほめてあげたいと思います。この場合は「私は」を主語にして、「・・してくれたので、うれしかった」のようにアイメッセージで伝えると効果的だそうです。(2012年6月9日)

運動会を終えて

田口知子

 今年度の運動会は、あいにくの天候でしたが、子ども達はいつもと変わらず一生懸命な姿を見せてくれました。

 雨がなかなかやまないので、開会式はテント下で行うことになりましたが、みんなのはりきっている気持ちが感じられました。中2生は、緊張しながらも助け合って司会役をこなし、開式・閉式の言葉を言う小6は自分なりの一言を工夫していたのが良かったです。そして、中3生二人の堂々とした選手宣誓。せりふや言い方を、いつの間に二人で相談していたのかと、感心しました。運動会の始まりが、きりっと引き締まりました。ありがとう。

 それから、中野実先生との一年ぶりの再会も、うれしいものでした。中野先生は、昨年の七月に補習校を訪問してくださいました。今年度も三カ月の短期英語留学にお出でになり、手作りのお弁当持参で、運動会に来てくださいました。小学校を停年退職された中野先生は、中学校で体育を教えられたご経験もおありで、子ども達に「みんなで応援しよう」と、声をかけてくださったり、種目に出場してくださったり、一日おつきあいくださいました。これから終業式までの間に、もう一度お出でいただけるのではないかと思います。昨年のように、インタビューの単元などで、子ども達が中野先生とお話をする機会ができるかもしれません。

 運動会の後で、「今までで天候が最悪の運動会でしたが、雨の中の運動会もイギリスらしくて、これも思い出に残りました」というコメントをお聞きして、ほっとしました。事故がなく安全に終われたのが何よりです。自分の家族や友達の家族と一緒に、室内でお弁当を食べるのも、なんだか楽しそうに見えました。放課後見回った教室が、最初と同じようにきちんと整頓されているのを見て、とてもすがすがしい気持ちになりました。最初にお願いしましたように、ゴミの持ち帰りも徹底されていました。雨に降られて大変だったにもかかわらず、皆様の心配りに感謝申し上げます。(2012年6月23日)

語彙力アップのために

田口知子

 以前、低学年の児童が「きつねの嫁入り」という言葉を知っていて、感心したことがありました。お家の方にお聞きしましたら、「おばあさんと過ごす時間が多かったので、いろいろな言葉を耳から聞いて覚えたようです」と教えてくださいました。それから先日、小学校中学年の教室をのぞいた時のことです。ちょうど、いろいろな意味を持つ言葉を学習しているところで、「ひく」というフレーズを出しあっていました。例えば、数をひく、手をひく、気をひく。気をひくという表現は、なじみが無く、先生から具体的なシチュエーションを説明してもらって、意味が理解できました。その時一人の児童が「あまりいい言葉ではないのだけれど」と前置きをしてから、遠慮がちに「車がひく」と言いました。交通事故を連想させる言葉なので、気を使ったようです。意識して言葉を使おうとする点に、頭が下がりました。

 海外で生活していると、日本語の語彙に触れる機会がどうしても不足しがちです。語彙力を伸ばすには、テレビやビデオ、本や新聞などで、いろいろな語彙と出会う機会を多く持つことが必要です。効果的なのが、毎日10分間の音読練習です。教科書の優れた文章を何回も声に出して読んでいると、書き言葉の表現や語彙、言葉のリズムが自然に蓄積されていきます。音読をすると、目で見て声に出して、耳で聞くことで、脳が活発に働きます。全文読むのに要した時間や、一度もつまらないで読み進められたページ数を記録していけば、伸びが目に見えるので意欲が出ます。

 低学年なら親子で交互読みをしたり、親が読み聞かせる時に故意に読み間違えて「あれ」と思わせたり、勉強だと意識しないで、楽しみながら音読に取り組むとよいです。しりとりなどの言葉遊びも、すきま時間にできます。(2012年6月30日)

1学期の終わりに

田口知子

 一学期は、運動会、バザーと行事続きの忙しい学期でしたが、お陰様で子ども達の笑顔をたくさん見ることができました。保護者の皆様には、行事の運営にご協力をいただきまして、誠にありがとうございました。

 さて、これから夏休みを迎えます。心身の充電期間として、ご家族の皆様で楽しくお過ごし下さい。同時に夏休みは、継続して一つのことに取り組める絶好のチャンスです。毎日時間を決めて、一つのことを続けると、効果があります。例えば10分書き写しをほぼ毎日続けた高学年児童が、休み明けに記録を二分短縮し、その成果に眼を見張ったことがありました。「継続は力なり」です。夏休み中に学習の空白期間ができないように、教科書の音読、教科書の書き写し、計算スピード練習といった基本をしっかりと続けて下さい。自主学習に取り組んだ場合は、休み明けに先生に提出して下さい。休み明けにどんな成果が集まるか、楽しみにしています。(2012年7月14日)

ウェールズ日本人会 email
Wales Japan Club All Rights Reserved
www.walesjapanclub.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。