補習校便り 2012年10月

補習校だより 2012年10月

学校文集の作文の題材捜しに奮闘中

田口知子

 現在、どのクラスでも文集作文の題材捜しに奮闘中です。私が「作文を書くと頭がよくなりますよ」と子ども達を励ますと、小4児童から「どうして作文を書くと頭がよくなるんですか」とても良い質問です。そこでみんなで考えてみました。「漢字を使うから」「考えて書くからかな」感心しました。自分の言葉で文章にして表現するためには、考えることが必要です。それが頭の訓練になります。

 本校では年に一回、作文の書き方を基本から徹底指導しています。作文の題材の見つけ方から始まり、内容の組み立て方、表現の工夫、下書きの手直しと、一人一人に時間をかけて指導することは、小人数クラスだからできることです。今年のテーマ「感動」は、オリンピックがあったので、書くことがすぐに見つかるだろうと考えていましたが、そうでもないようです。低学年でも高学年でも、「ゲームをして楽しかった」「ゲームをクリアできてうれしかった」といったことが題材にあがったらしく、「これで内容を膨らませられるだろうか」と先生方も首をかしげます。ゲームを入手した経緯や、ゲーム禁止のエピソードなどをもりこめば、その子どもにしか書けない作文になりそうです。しかし、教師には、子ども達の日常生活の様子は、あのねちょうなどで断片的にしか分かりません。「子ども達のことを知らないと、的確なアドバイスができない」という声も出ました。低学年の場合は、目先の体験に目が向き、過去の感動は忘れてしまうのでしょうか。「イギリスに住んでいること自体、貴重な体験なんですけどね」「感激することはあっても、感動となると、大人でもそうそう無いですよねえ」「うーん」子ども達に書く意欲を持たせるために、先生達も目下奮闘中です。

 ご家庭でもお子様と作文の題材についてお話し合い下さっていると思いますが、どうしても書くことが見つからない場合は、題材をお膳立てしてあげるのも一つです。例えば、休日に親子料理や読書、散歩や買い物など、いつもと違ったことをしてみます。すると平凡な毎日にドラマが生まれます。あるいはお子様が誕生した時のことや名前の由来など、普段あまりしないお話をしてあげるのも、効果的です。高学年ならいっそのこと「感動体験が無い」ことを題材にすることもできます。平凡な一日を描写すれば、何か新らしい気づきがあるかもしれません。どんなことでも作文の題材になります。書くことが決まれば、作文書きの八割は終わったようなものです。書き始めるまでが、がんばりどころです。文章を書くのは、大人でも面倒なものです。子どもに「作文を書きなさい」と言うかわりに、親子のコミュニケーションを楽しむ感じで、作文書きにおつきあいいただけるとうれしいです。これから段階的に少しずつ作文を仕上げていきます。(2012年10月20日)


算数数学の勉強について

田口知子

 教科書研究センターが、世界11か国の算数、数学の教科書の比較を行ったそうです。これらの国は、OECD(経済協力開発機構)によるPISA(学習到達度調査)の成績上位国で、表計算ソフトやデジタル機器を使った内容が、教科書によく登場しているそうです。表計算ソフトを使ってデータ処理やグラフ化をしたり、方程式の解を見つけたりもするそうです。また作図ソフトが、定規やコンパスと並ぶ道具として紹介され、作図ソフトを使って、角の二等分線や平行線を描く方法を学ぶという点も、意外でした。

 現地校では、電卓使用が普通だと、補習校の生徒からもよく聞きます。高校の教科書では、電卓を使わずに解く問題に印がつけてあるそうです。日本の教科書は逆で、電卓を使用する問題に印がついています。計算に労力をかけないで、解き方の理解に重点を置く方針であることは分かりますが、現地校でかけ算の九九でさえ電卓を使っている子がいるという話を聞くと、電卓がいつも手元にあるのも問題だと思います。

 低学年の間は、計算が速く正確にできるように、練習の量をこなすことが不可欠です。時間を計って行う百ます計算は、大変効果的です。細切れ時間でも、毎日5-10分練習すれば、「ちりも積もる」です。唱えて覚える日本のかけ算九九は、現地校の算数でも力を発揮していると、賞賛する英国人のお父様もいらっしゃいました。計算力は、算数の基礎として重要です。小学校高学年になるまでに、量をこなして力をつけておきましょう。

 高学年になれば、どのように考えたのか、どうしてそうなるのか、考える過程が大切になります。特に小学校の「算数」から中学校の「数学」になると、新しい概念が登場します。例えばマイナスの数の計算やつるかめ算をxやyを使った文字式で解く方法を学びます。結論を導くために、式を順々に変形していくのは、面倒です。しかし、そこでものを言うのが、計算力と忍耐力です。

 先日、朝会で先輩のミスノートを紹介しました。さっそく、後輩達が「真ん中で折ればもう一度やり直しできる点が良い」と参考にしていました。ページの左半分に間違った問題を書いて、右側に正しい答えを書いておけば、いつでもどこでも見直しができます。ミスノートを、単なる間違い直しに終わらせず、なぜ間違ったか、理由を分析して赤字でメモしておくとよいです。計算力も数学的思考力も、努力しないと身につきません。日々の勉強を大切にしましょう。(2012年10月27日)

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