補習校便り 2013年6,7月

補習校だより 2013年6,7月

五月のコーヒーモーニング

         田口知子

 5月18日に今年第一回目のコーヒーモーニングを行いました。

 最初の話題は、日本の大学への受験・進学情報(受験できる条件や準備)と帰国子女枠の受験情報についてです。最近は、面接試験をスカイプで行ったり、日本から海外へ学生ハントに来たりする学校があると聞いて、時代の動きを感じました。日本の学校や社会が求めているのは、グローバルな感覚を持ち、プロジェクトをリードしてくれる人材のようです。つい先ごろも社内で英語を公用語にした某企業の入社式の様子をテレビのニュースで見ました。社長も新入社員も英語で挨拶をしていました。

 運営幹部の方が、日系企業で働くなら、英語力だけでなく、日本人のものの考え方や日本人的感覚を持っていることも必要だろうと、体験に基づくコメントをしてくださいました。お母様方からは「自分は日本人ではない」と言っていた子どもが、補習校で勉強することで、日本人としてのアイデンティティーが芽生えた、という話や、「なぜ土曜日まで学校で勉強しなければいけないのか」と言う子どもに補習校通学の動機づけに苦労した、というお話が続きました。

 家庭学習の日頃の悩みもいくつか登場しました。例えば、宿題にとりかかるまでに時間がかかりすぎる、漢字が頭に入らない、現地校と補習校の勉強がどっちつかずにならないか、など。以前のコーヒーモーニングで、子どもの寝室の天井に勉強用語などを書いた紙を貼り、寝る時に目に入るようにしたお母様の話を聞いて印象的だった、という話や、冷蔵庫など物の名前を漢字で書いた紙をそこに貼っておいて、日常的に漢字を見る機会を作ったこともあるというご家庭、また早寝早起きのご家庭では朝6:30-7:15を補習校の勉強(音読など)にあてている、お菓子やお小遣いでつりながら習慣化し、今では6:30には自分から机の前に座っている、という話をお聞きして、日本語の学習を継続するには家庭の支援が大きいことを改めて痛感しました。

 十分に情報・意見交換するには、1時間は短かかったものの、最後に「やはり情報を持つことが大切ですね」と参加者のお一人がコメントされ、この後も小グループでお話を続けられている光景もお見受けし、これが情報交換のきっかけ作りになったとすれば、うれしいです。(2013年6月1日)


親子の協力体制で家庭学習の効率アップ

         田口知子

 週一回の補習校でできることは限られますが、補習校で学ぶ意義は、友達と一緒に勉強できる点にあります。友達の意見を聞いて新しいことに気づいたり、友達の取り組みを見て意欲がそそられたり、友達の影響は大きいです。    
 
 時々朝会で、読書マラソンや漢字の練習ノート、数学のミスノート、俳句のアイデアメモなどを紹介しています。先日、高学年の漢字練習自主ノートを紹介すると、低学年児童から「すごい」と声があがりました。何事も、上達は基本を繰り返し練習した量に比例します。以前、毎学期漢字ドリルを仕上げてくる児童に感心して、お父様にコメントしましたら、笑いながら「いや、あれは子どもより、母親のがんばりですね」鋭い指摘になるほどと思いました。

 子ども達の普段の生活は、けっこう忙しくて、現地校と補習校の勉強、習い事、友達との交流など、フルスケジュールではないでしょうか。そんな時こそ、親子の協力体制が力を発揮します。親には何をどれだけやらなければいけないか、学習の全体像が見えていますから、そこから一日のノルマをたててあげます。その場合、ただ「やりなさい」と言うだけでなく、すきま時間でできることを細切れで提示してあげることがコツです。漢字練習なら、覚えるべき漢字や間違えた漢字を、ノートの一番上に書いておいてあげたり、漢字ミニテストを作ってあげたりします。小学生の漢字プリントは、校内で統一された様式になっていて、低学年は書き写しからはじまり、平仮名文を漢字交じり文に書き直していく(または漢字交じり文になった解答を正しく視写する)宿題へと進みます。この平仮名交じり文を家庭で複数枚コピーして、何度も練習している児童がいることを、最近担任から知らされ感動しました。

 算数、数学の勉強も同様です。授業を聞いて分かったつもりでも、時間をおくと新しく習ったことを忘れてしまいがちです。分かったことができるようになるには、反復練習が不可欠です。そこで私は数学でミスノートを作らせています。ノート1ページの左半分に間違った問題を書き、右半分に解答を書きます。生徒も心得ていて授業のすきま時間を見つけてはちょこちょこ書いています。単元テスト前に「ミスノートの問題をコピーすればミニテストになる」と提案すると、保護者からすぐ反応があり「よいアイデアだ、すぐ導入する」とうれしいメールを頂きました。

 このように学年に関係なく、親のちょっとした手間と工夫で、子どもが効率よく反復練習と弱点補強ができます。これが学習習慣の定着につながります。日々のすきま時間を利用して、一回でも多く書き、一回でも多く音読し、一回でも多くミスした問題を解き直すといった基本を心がけていってほしいと思います。子どもに「勉強しなさい」と言って後は子ども任せ、にならないように、親が子どもの勉強のコーチとなって、勉強時間の管理(やったかどうか確認し、評価し励ましの言葉をかける)や、すきま時間でできる学習の工夫をよろしくお願いします。(2013年6月8日)


運動会を終えて

         田口知子

 運動会は、一時雨宿りしながらの天候でしたが、子ども達の一生懸命な姿が印象的でした。高校三年生になった元生徒のMさんも来てくれて、久しぶりに元気な顔を見ることができてうれしかったです。中3の時の運動会で、紅白リレーのアンカー二人(中3生)が白熱のレースをした光景が、今でも忘れられないそうです。運動会は、大きな思い出を作ってくれます。

 家庭数が少ないので、全員が役割を分担しなければならず、係によっては、落ちついて応援することができなかったかもわかりませんが、こうして日本の運動会ができることを大変幸せに思います。

 放課後の片づけをしている時のこと。優勝カップについている黄色とムラサキのリボンを見て、近寄って来たK君が「前はその色のチームがあったんですか」生徒が130人いた時は、四色のチームがあったと言うと、へえとびっくりしていました。ゼッケンも四色あります。人数が多いと整列するのに時間がかかるので、ゼッケンを作ることにしたのでした。洋裁が得意な方が、古着の生地を使って、ゼッケンを試作し、型紙を作り、生地を反物で買ってきて、学校で裁断し、作り方の講習会をし、一人二枚ずつミシンか手縫いで縫いました。胸と背中の番号は、生地に印字できるプリンターを持つ日本人会企業が用意してくださいました。綱引きの綱は、当初、市内のスポーツセンターから借りていましたが、その手続きが大変で、海外子女教育財団の教材援助によって、日本から届いた時は感激しました。今ではノウハウができ、準備が簡素化されていますが、最初の頃は準備に相当な時間と労力がかっていました。こうした運動会の長い歴史を思うと、感動を覚えます。

 6:15にグランドのチェックをしてくださった深田さんと川田さん、七時に用具の搬入を開始し、運動場のトラック作りや朝の交通整理や貼り紙を担当してくださった日本人会各社の皆さん、放課後のテントの撤去まで見届けてくださった方にとりましては、長い一日になり、大変だったと思います。私は最後に、昼食を食べたプレハブの教室を見回りましたが、ゴミは無く、机もいすも朝のように整然と並んでいるのを見て、うれしくなりました。

 多くの方々の力で、今でも運動会の伝統が守られていることに、深く感謝申し上げます。普段は補習校に来る機会のない遠方に住む皆さんも、補習校保護者のお知り合いとしてご参加くださいました。運動会は、子ども達の活躍の場になるだけでなく、大人達の親睦も深めてくれます。この伝統がこれからも続いていくことを願っています。皆様のご協力、本当にありがとうございました。(2013年6月22日)

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