補習校便り 2013年11月、12月

補習校だより11,12月


ポスターセッションの活動について

田口知子

 二週間前に小6がポスターセッションをしました。ご参観下さった皆様、ご協力に感謝申し上げます。大人の方達からの質問を受けて答える姿が、一段と頼もしく感じられました。本校では、小4から小6まで毎学年、教科書学習の発展として、ポスターセッションに取り組みます。発表力を伸ばすには、繰り返すことが必要です。

その素地を作るために、小3,4年は、朝会の中で、教科書学習に関連した発表を行っています。小1,2年は不定期で、詩の暗唱などを行っています。授業や朝会などで、発表の機会を作り、声に出して伝える基礎訓練を続け、意欲を伸ばしたいと考えています。二月の学習発表会は、こうした一年間の学習の仕上げになります。

 小6のポスターセッションのテーマは昨年同様、今年も「平和」に設定しました。教科書の資料を読み、各自でテーマを選んで400字程度の意見文を書くところからスタートしたと聞いています。その後、各自で情報集めをし、ポスターにまとめました。ご家庭でも準備の時間を確保してご支援下さり、本当にありがとうございました。今回の発表では、北アイルランド問題(自分の旅行体験から)、シリアの内線(時事問題から)、いじめの問題(本校生徒にアンケート実施)、人権と平和(歴史的人物の活動を紹介)、男女平等への道(マララさん銃撃事件から)を取り上げました。具体的なデータや情報をまじえながら、説得力ある発表ができました。質問タイムでは、下級生から、マララさんの国ではなぜ女子は学校に行かなくてよいと言われているのかという質問が出て、中学生が考えを述べる場面もありました。また「今年のノーベル平和賞受賞者は誰か」という点も話題になりました。(今年のノーベル平和賞は、化学兵器や拡散暴徒への貢献が評価され、化学兵器禁止機関に授与) 聞く人をまきこんだ有意義なポスターセッションができ、大人も、いろいろな話題について一緒に考えることができて、とても興味深かったです。(2013年11月2日)

ご家庭でできる物理的な学習支援

田口知子

 低学年児童の俳句の用紙に、漢字を練習した小さな紙がはさまっていました。手書きの10問ミニテストでした。おそらくお母様が家庭学習用に、お子様のために作られたものだと思います。日頃から、補習校だよりや通信やメールなどで、機会があるごとに、すきま時間を利用してできる家庭学習のアイデアをお伝えするようにしています。算数、数学で、子供がミスした問題だけを集めて、ミニテストを作ってやらせる方法をご紹介した時には、さっそく導入しましたと、メールをいただいたこともあります。
 これまで何度も耳にされてきていると思いますが、補習校の勉強は、補習校に通学しているだけでは定着しません。宿題を中心とした家庭学習(予習復習)が不可欠です。しかし子ども達は、現地校の宿題や習い事、友達づきあいなどで、とても忙しい毎日を送っています。補習校の勉強をする時間を効率よく確保するためには、ご家庭で「物理的な手助け」をしてあげる必要があります。国語は予習、算数数学は復習を優先させるとよいです。例えば、国語は教科書を一回でも多く音読しましょう。授業でその文章を初めて読むようなことがないようにお願いします。「海外子女教育」7月号の家庭学習の特集ページで、こんな例が紹介されていました。ご両親ともに仕事をされているので、保護者が子供のそばについて勉強を見てあげられる時間がなかなか取れません。にもかかわらず、日本語の力が落ちていかず、成績が良いので、先生達もどういう家庭学習をしているのか不思議に思っていたところ、家庭で一緒の勉強時間がとれない分、母親が勤め先から電話口で我が子の宿題の音読を継続的に聞いてあげていることが判明し、職員一同、感激したそうです。
 算数数学は、ミスした問題が弱点です。授業では公式を導き出す過程や別の解き方を考え合ったりしますが、一回説明を聞いただけで、理解が定着するものではありません。例えば、宿題や授業の小テストやテスト前の弱点補強などで、お子様ができていなかった問題を書き出しておいてあげるとよいです。高学年になり、勉強の方法が身につけば、自分でできることですが、持ち時間が少ない子供の場合は、返却されたプリントを親が見て、間違った問題を書き出してあげれば、すきま時間に反復練習することができます。算数数学は、まず基本の理論と算数数学の専門用語を覚え、反復練習をすることが学力アップにつながります。(2013年11月16日)

読み聞かせの効果

田口知子

 先週、小1のクラスで一時間、国語の代講をする機会がありました。単元は「むかしばなしがいっぱい」です。最初に、昔話の登場人物が描かれた絵を見て、どんな話か発表しあった後に、先生の読み聞かせを聞き、そのお話について「おはなしにっき」を書きました。「金太郎」や「桃太郎」「かぐや姫」「さるかに合戦」「浦島太郎」など主要な昔話が次々に登場し、しかも、その話の粗筋もよく覚えていることに感心しました。読み聞かせをたくさんしてもらっているのでしょう。
 今回、読み聞かせをするなら、子ども達があまり知らなさそうな短い話がよいと思い、図書室で何冊か絵本を見た中から、「たのきゅう」に決めました。既に持っている児童もいました。うわばみが、たのきゅうの名前をたぬきと聞き間違えて、たのきゅうが「嫌いな物は小判」と言ったのを信じて、小判をどっさり投げつける話です。「嫌いな物はたばこのやに」と本当のことを言ったうわばみは、たのきゅうや村人達にやられてしまいます。智恵者のたのきゅうの活躍がおもしろかったようです。「もう一回読んで」と言われて、二回続けて、読み聞かせをしました。うわばみ、小判、やにといった聞き慣れない言葉は、絵と説明で補足するようにしました。最後にそれぞれの感想を書きました。中には、お化けが出て来る話は好きではないらしく、おもしろくなかったという感想も出ました。
 読み聞かせの本の候補として「お話絵本館」シリーズの「桃太郎」にも、目を通しました。その時に、この本の末尾に、松戸市おはなしキャラバン理事の浜島代志子さんが書かれた「絵本育児学のすすめ」がついているのに気がつきました。お子さんへの読み聞かせは、最初は「子供のために」という義務感が強かったそうですが、子供の目が輝き、子供の心に何かが吸い込まれ、心の中で大きな実となって育っていく様子を見て、絵本は子どもを育てると感じられたそうです。絵本の中から、多くのものを吸い取り、言葉や想像力が育っていくのを見ていると、「人間ってすごい力を持っている、絵本の力はすごい」と感心し、絵本のもつ教育力をもっと多くの子ども達やお母様方に伝えたくて、職業にしてしまったと、書かれてありました。
 浜島さんは、「生の声は愛の証」だと言い、「絵本を読んであげるのに上手も下手もありません。ぬくもりのある生の声は、子どもの胸にしっかりと入り、子どもの心を抱きしめます。録音された俳優さんのテープは、一方的に流れていって、心のやりとりが生まれません。絵本をよんであげる大きな目的は、親の愛を惜しみなく与えることにありますから、まず声を出して、子どもの心に向けて読んであげましょう。」とありました。一年生で放課前の時間を利用して継続している「読み聞かせ」も、お家の人から受け取る声のプレゼントなのだと思います。子ども達にとって、読み聞かせが日本語の世界にひたれる幸せで楽しい時間になってくれることを願っています。(2013年11月25日)

先週の小5のポスターセッションについて

田口知子

 先週、小5のポスターセッション(最初のグループ)を行いました。「天気を予想する」の単元で、最初に図・表・グラフなどのデータを使って、筆者がどのような意図で、文章を構成しているか、読みの学習をしました。その発展学習としてポスターセッションを行いました。目的は、データから必要な情報を読みとり、データに基づき自分の考えを発表することです。
 データは、教師側で複数用意しておいて、興味を持ったテーマを各自に選んでもらいました。今回登場した話題は「臓器移植」(本人の意思調査)「小学校でスタートした英語授業」(英語活動導入後の変化)「魚の減少」(年間一人当たりの魚介消費量)でした。「臓器移植」を選んだ児童は、臓器提供に対する意志調査結果を円グラフで表し、家族にもインタビューした他、移植できる臓器が七つあることをクイズで紹介しました。「英語授業」の発表者は、英語活動を通した良い点と課題点の両面から、英語の必要性について論じました。「魚の減少」の発表者は、日本で一番食べられていて、最も保護が必要なマグロに焦点をあて、マグロを絶滅から守る取り組みについて論じました。
 データを提示しながら、説明や報告をし、自らの意見を論理的に説明するわけですから、高レベルのプレゼンテーション能力が求められます。放課後、お母様方と雑談する機会がありました。大人でも人前で話すのは、なかなか難しいことだと、児童のがんばりを賞賛する声があり、うれしく思いました。高等教育の場や、社会に出て仕事をする場など、子供達には自分の思いや考えを言葉にして、相手に伝える機会が、これからも数多くあるでしょう。一方通行のスピーチと異なり、プレゼンでは、聞き手と話し手のやりとりが生まれます。友達とは話せても、フォーマルな場で自分を出すには勇気も必要です。低学年の時から、教室や朝会などで安心して発表できる場を設け、高学年では年一回ポスターセッションの機会を設けることで、話すことに対する意欲と自信を育てていきたいと考えています。
 今回は中学生や上級生が、聞き手として支援してくれました。中学生からの感想メモをしっかり握りしめている姿も、ほほえましいものでした。発信するだけでなく、聞くトレーニングにもなり、生徒同士の関係作りにもつながります。これからも、ご家庭でのご支援や、観客としてのご協力をどうぞよろしくお願い致します。次回は、一月に小4がバリアフリー社会に目を向けたテーマでポスターセッションを行います。低学年児童の保護者の皆様にも、ご参観いただければ、言葉の力を段階的に伸ばしていく過程を具体的にご理解いただけるのではないかと思います。(2013年12月7日)

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