補習校だより2014年12月,2015年1月

補習校だより2014年12月~2015年1月


冬休みを前に
  田口知子

 以前、シニア派遣の校長先生を講師として本校にお招きして、教育講演会を開催したことがあります。その講演会の後で、お母様のお一人から、次のような感想コメントをいただきました。 「ただ補習校へ子供を入学させれば日本語が上達するのではなく、親が補習校へ入学させた以上、責任を持って日本語の読み書きができるように、親が子供の勉強を家庭で指導してあげなければいけない。講師の先生がおっしゃった言葉に感銘を受けました。親が補習校へ入学させることを選択した以上、日本語が中途半端にできるのではなく、きちんと読み書きができ、将来英語と日本語を自由に使い分け、イギリスと日本のどちらの国でも堂々と活躍できる人間になれるように、親は最後まで責任を持って協力してあげなければいけないと改めて実感しました。」
 現地校の勉強をしながら、補習校の勉強を続けていくには、保護者の強い意志が必要です。現地校との両立は大変で、時に親子でくじけそうになることもあるでしょう。勉強や習い事。仕事、家事、子育て。様々なことが同時進行で進む忙しい日々に、一息つける時間は大変貴重です。年末年始には、お子様と一緒に、一年間を振り返って、次への目標を考える心静かな時間が持てるとよいと思います。心にも時間にもゆとりが持てる長期休暇中は、補習校の宿題の他に、漢字の練習や教科書文の書き写しなど、自学の習慣づけができる良い機会です。三学期は、学年のしめくくりとして、気が抜けない大切な学期です。三学期に力を発揮できるように、冬休みを有意義に、元気にお過ごし下さい。
(2014年12月13日)

 補習校の良さについて
  田口知子
 放課後のコモンルームには、解放感があります。ダンスをしたり、友達とゲームなどで遊んだり。そんな子ども達を見守りながら雑談をするお母様やお父様方。先週は、Fさん姉弟の最終日とあって、なごりおしい放課後でした。それでも四時を過ぎると、一人二人と帰宅し、とうとうFさんが一番最後になりました。「ぜひいつかイギリス旅行を。」「また来てみたいです。」そんな言葉をかわして、お見送りをしました。
 日本に帰国した子ども達が、高校生や大学生になって、補習校を訪ねてくれることがあります。去年三月に補習校に来てくれた岡崎君もその一人です。訪問後、「先輩インタビュー」を書いてくれました。忙しい研究生活を送る中、記事を書くのは、大変だったのではないかと思ったのですが、先輩インタビューという形で文章を寄稿させてもらってありがとうございました、と逆にお礼を言われて恐縮してしまいました。「今回、文章を書くにあたり、自分が今までの人生で何を経験してきたのか、また何を考えて行動してきたのかを振り返り、自分自身と向き合う良い機会となりました。しかもそれを他人に伝わるような文章に書くということが、いかに難しい作業であるかということを何度も納得のいかない文章を書き直しながら学ばせていただきました。」礼儀正しいところは、補習校に通学していた小中学生の当時から全く変わりません。「先輩インタビュー」の反響をお伝えすると、「素直な喜びを感じております。」とすがすがしい返信をくださいました。
 岡崎君の記事に、講師からも感想コメントが届きましたので、ご紹介します。 「補習校は確かに授業時間が少なくて、たくさん詰め込まなければならないし、宿題もたくさんで大変です。でも子ども達が笑顔で通ってくれるのは、自分とおなじ境遇のお友達との楽しい時間、小人数だからこその心のつながり、補習校が心のよりどころとなっているからだと考えていました。それと同じようなことが、岡崎君の記事に書かれていて、とてもうれしくなりました。
 きっと誰もが抱えるだろう悩み、葛藤、戸惑いに対するアドバイスは、経験者ならではの言葉で、たとえ講師だろうとこんなに的確には教えてあげられない内容だと大変感心し、参考になりました。現実的に、これから後に続く子ども達には、良きアドバイス、心の支えに、いつかなるのではないかと思います。帰国子女だから英語は完璧で当たり前、英語以外に自分の取柄はあるのだろうかと思い悩んだ時期のこと、それに対する対処法、日本における『空気』を理解することなど。海外に暮らしている私も、ああ、そうそう、分かる分かると。ついうなづきながら読んでしまう、本当に読み応えのある記事でした。また、こんなに素晴らしい文章が書けてしまう実力も、さかのぼれば補習校でがんばって学習した賜物であると思います。岡崎君の文章を読んで、改めて補習校の存在意義を感じ、補習校が特別の場所だったと言ってもらえることを誇りに仕事を続ける上での励みにもなりました。」
 ちょうどこの冬、体験入学をされたお母様方から、体験入学の成果について教えていただきました。
「短期間だったけれどもクラスのみんなに温かく迎えられて、貴重な経験になった。」「補習校での学習が少し先に進んでいたので、授業に安心して参加できたようで、自信と意欲につながったようだ。」補習校でがんばった学習経験は、子ども達の学力向上だけでなく、与えられた宿題や課題をやりとげようとする強い精神力を育ててくれるはずです。自分にもやれた、がんばれたという達成感が持てる一年のしめくくりができるようにと願っています。これからも家庭と補習校とが連携して、学習を進めていけるようによろしくお願い致します。(2015年1月24日)

高学年保護者とのコーヒーモーニング
  田口知子
 12月13日に高学年保護者の皆さんとのコーヒーモーニングがありました。お母様6人とお父様1人がご参加くださいました。最初に、「今まで学習を積み重ね、継続してこられたのは、補習校があったからだ。」という話からスタートしました。「がんばり賞をもらったり、朝会でほめてもらえたりすることで、子どもの意欲が高まる。毎週宿題があるから、学習が順調に進む。家庭だけでは、なかなかこうはいかない。」補習校の使命を改めて実感するコメントでした。
 次に家庭学習について。「勉強はやらされているのではなくて、子どもには、学ぶことは楽しくて好きだという気持ちを持ってほしい。」家庭で勉強に気持ちを向けさせるには、工夫が必要です。親よりも早起きの子どもには、テーブルにメモを残しておいたり、ゲームは宿題を終えてからする、というようにルールを決めて、習慣づけしている例も紹介されました。その時間になっても机に座っていなかったら、その日はゲームは禁止、あるいは「あと五分で始めなかったら禁止」とストップウォッチで時間を計ることもするそうです。また「勉強しなさい」とは言わず、「いつから始めるの」と聞いて、勉強の開始時間を子どもに決めさせているご家庭もありました。
 「現地校では、プロジェクト学習があり、興味がある内容は積極的に調べたり、楽しく学習ができる点がよい、日本では、こうした学習はあまりしないだろう。」そして、補習校のポスターセッションや文集の作文のように、本気で取り組まなければいけない課題は、その効果が大きい、とのコメントをいただきました。「ハードルが高いものに取り組むことが、力を底上げてしてくれる。自分の取り組みをみんなに発表することで、評価にもつながる。」活動をやりっぱなしにするのではなく、自己の振り返りやクラスで学び合いながら、より効果的な活動を工夫していきたいと思います。「発表内容を何回も練って、準備するのは大変だが、調べた内容から必要な部分を抜粋してまとめる力もつくし、みんなが見てくれるからがんばろうとする。下級生は上級生の発表を見て、まねて背伸びしようとする。小4から毎年ポスターセッションがあるのがよい。それにしてもポスターの出来が年々レベルアップしていて、びっくりする。」こうした活動ができるのも、小規模校の良さです。
 次に、読書の話題になりました。子ども達が日本語に触れるのは、朝と夜の家庭での時間に限られます。そこでできる限り、読書に親しんで読んでほしいと思っているそうです。親が読んでほしい本を、子どもが選んでいなくても、「低学年の時から子どもが好きに本を選べばよい。学年が上がったら、自然に読む本のレベルが上がるから。」という経験談は参考になりました。「日本の教科書はよくできている。理科や社会の教科書は、大人が読んでもおもしろい。」との指摘もありました。他教科の教科書は、音読練習だけでなく、子どもの好奇心を広げてくれるので、利用価値が大きいです。
 次に漢字の学習について。「こちらで書けなかった漢字が、一時帰国した時にすぐに覚えてしまって、驚いた。日本では、漢字を目にする機会が多いので、環境による違いは大きい。」テストで間違った漢字の熟語のカードを冷蔵庫に貼って、見る機会を増やすアイデアが一つ出たところで、時間となり、コーヒーモーニングはお開きになりましたが、その後も一時間ほど、保護者の皆さんで懇談が続いていました。
 今回は、日本で中学受験された方が、ご参加下さったので、受験前の情報収集や面接、作文練習、今の日本の受験の現況について、情報を共有させていただきました。帰国受験の予定がない永住ご家庭にとっても、「家庭学習が徹底していて、受験勉強の話はとても刺激になった。」とおっしゃっていました。ご協力くださった方、ありがとうございました。(2015年1月31日)

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