校長先生の日々9: 今日の漢字

校長先生の日々(9)今日の漢字

 生徒の作文を見ていると、休みという漢字が、体みになっていることがあります。うっかりミスと思われますが、複数の児童が間違いをしていたので、朝会で注意喚起しておくことにしました。一年生は、ちょうどこれから漢字を習うところなので、まず最初に人と木の漢字を紹介しました。そして、人が木の下で休んでいるから、休。本は、木の根元を表すので、人のからだを作るもとで体と覚えるとよいと説明しました。
 
 翌週は、大と夫と天の三つを紹介しました。朝会の場所に早く来ていたU・Y君が快く、私の助手をしてくれることになりました。まず、U・Y君が手足を広げて立って見せます。「これは、何の漢字でしょうか。」最初の漢字当てクイズは、大とすんなり出てきました。次に、U・Y君にそのままの姿勢で立っていてもらって、一本の棒を頭の上にかざします。頭の上にあるものというヒントで、天という答えが出てきました。最後に、棒を頭につきたてるようにして、夫。棒はかんざしにあたると説明すると、男の人がかんざしをしていたの、と笑いが起きました。
 
 みんな、おもしろがってくれたので、翌週は、犬の絵文字を見せて、何の字かを当てるクイズからスタートしました。そして、太という字もついでに紹介しました。「犬は、耳がたれているでしょう、太は、大に点がついて、大きいと大きいのダブルで、太いになります。」
 
 その次の週は、動物の絵文字から、馬という字を当ててもらい、馬と太の足し算クイズです。「太った馬は、速く走れないでしょう、だから駄作の駄です。」と、熟語で紹介すると、なるほどと納得したようです。
 
 そして、もう一度、犬に戻って、犬がつく漢字を紹介しました。まずは、伏せるからです。お墓に人と犬が並んで埋められている絵を見せて、お墓から悪いものが出てこないようにふたをするという意味で、伏せるという字を説明しました。
 
 翌週、伏せるという字を覚えているか、読み方を聞いてみると、さっと手を挙げて、はりきって答えてくれたのが、小1のF・M君です。よく話を聞いていて感心しました。そこから、戸と犬の足し算クイズです。最初に家の入り口に犬を埋めている絵を見せました。中1で習う漢字ですから、ここは中学生の出番です。少し自信がなさそうでしたが、もどるという読みが出てきました。悪いものが家の中に入らないようにしている様子を表しています。中国では、昔、犬が神様へのいけにえに使われたのだそうです。ですから、戸口に犬を埋めて、悪いものが逃げて戻っていくというわけです。
 
 このように漢字は、成り立ちを知ると、とても楽しく学習することができます。週一回の補習校では、漢字の書き順や熟語を学習するのが精一杯で、漢字の成り立ちにまで触れる時間はなかなかとれないのが現状です。できれば、これからも、朝会の時間を利用して、時々漢字の話をしていこうと思っています。(2009年冬)

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