校長先生の日々11: 地図で遊ぶ

校長先生の日々(11)地図で遊ぶ

 イギリスに来るずっと前から、いつかは行ってみたいと憧れていた場所が二つありました。ネス湖と北ウェールズにある世界で一番名前の長い村です。イギリスの地図を見ては、どんな雰囲気の所なのだろうと、あれこれ想像を巡らしていました。この計画は、渡英して早い時期に実現しました。ネス湖の話はさておき、世界で一番名前が長いと言われている村(短縮してLlanfair P.G)は、観光スポットにはなっていないようで、小さなお土産物の店があるだけの小さな村でした。ひなびた駅のホームで、57文字の長い駅名をバックに、記念写真を撮ったことが思い出され、朝会でこの村の話をしました。

 翌週の朝会で、今度は日本で一番長い駅前について、紹介しました。平仮名表記で22文字になる「南阿蘇水の生まれる里白水高原」駅です。1992年にできた駅で、熊本県にあります。そして翌週は、日本で一番長い名前の学校について話しました。これは正式名が「高知県宿毛市愛媛県南宇和郡愛南町篠山小中学校組合立篠山小学校」です。ささやま小学校と読みます。高知県と愛媛県の県境にあり、全校生徒20人の小さな学校です。

 この話の後で、小4の児童が、ネットで調べたことを教えてくれました。「南阿蘇…」駅は、グーグルマップで見ると、畑ばかりの村だったそうです。そして、平仮名表記で同じ22文字の駅名が、もう一つあることが分かりました。茨城県にある「長者ケ浜潮騒はまなす公園駅前」駅です。

 それから、正式表記では、一番長い駅名は「リゾートゲートウェイ・ステーション」と「東京ディズニーランド・ステーション」の二つになるそうです。どちらも17文字で、ディズニーリゾートラインという名前のモノレールの駅です。調べていて、このモノレールに乗った時のことを思い出して、窓がミッキーマウスの形になっていて、中のつり革もミッキーマウスの形をしているのだという話もしてくれました。

 私は子供の頃から、地図を見るのが大好きでした。中学一年生の頃は、休み時間に地図帳を広げて、一人が地名を言って、他の人がその場所を見つける遊びをよくしていました。ところが、地図を見るのは好きでも、地理は中学でも高校でも、苦手な科目でした。中1の時、地理の学力テストに、九州にある五つの地名の読み方を問う問題が出ました。指宿、都城…。見たこともない地名でした。校内試験ではなく、市の一斉学力テストに、なぜこんなマイナーな問題が出るのかと、子供ながらに出題の意図が分からず、友人達と文句を言いあったことを今でもよく覚えています。しかし、これがきっかけとなって、地名への興味がさらにふくらみました。

 話を元に戻しましょう。長い駅名を紹介した後で、今度は中3の生徒が、一番短い駅名を見つけてきました。例えば、「津」。その他に、おもしろい駅名として、馬路(まじ)、今市(いまいち)、巣間内(すまない)、後免(ごめん)、なんじゃい。もちろん、これらの地名も、朝会で紹介し、みんなで大笑いしました。こんなふうに、私の話がきっかけとなって、話題が発展していくのは、楽しいものです。

 海外にいると、日本の地理に疎くなりがちです。少しでも、日本の地理に興味を持ってくれるように、次はどんな話をしようかと、ネタを探しているところです。

(2010年6月)

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