校長先生の日々13: 夏休みの宿題

校長先生の日々(13)夏休みの宿題
 
 一学期の終業式で、全校生に話をしました。「大人は夏休みの宿題がないから、いいなあと思いませんか。」すると、みんな大きくうなずきました。

 「大人は、夏休みでも仕事があります。例えばお母さんは、お家にいても、皆さんのご飯を作るといったお仕事があるでしょう。でも、大人も夏休みの宿題を作ってみたらどうでしょう、という話を今日の補習校だよりに書きました。皆さんのお家の人が、どんな宿題を考えられたか、聞いてみてください。」保護者の皆さんにとっては、少々、迷惑な話だったかもわかりませんが、親子で、夏休みの計画をたてるのは、よいことだと考えました。

 そして、私も、自分に課した宿題について説明しました。担任している小5の児童に「伝記」を読むことを宿題にしたので、私はノンフィクションを二冊読みます。

 そして、担任からもらう教科の宿題の他に、自由課題についてもいくつか提案しました。例えば、家族新聞の夏休み特集号を作る、夏休み用にノートを一冊用意して書き写しや漢字の練習をする、日記を書く、旅行記を作るといったことです。家族新聞は、一学期に小5が運動会特集号を作っていました。いつも書いている生活作文に変化をつけたくて、新聞作りを提案したところ、これがけっこうおもしろかったらしく、夏休みにも作ってみたいという児童が複数いました。

 休み中に、日本から取り寄せ注文した本の一冊が、届きました。それは、フィギュアスケーターの荒川静香さんの「乗り越える力」です。本の中にこんな言葉がありました。「私のスケート人生は、金メダルを差し引いてもまだマイナスなのではと思うくらい、失敗やうまくいかないことがたくさんありました。でも、その時に味わった悔しさや挫折感からどうやって立ち上がるかを考え、一つ一つ乗り越えてきたことは、私にとってかけがえのない財産です。」2006年トリノオリンピックで、日本人初の金メダリストになった荒川さんが、人生の先輩として15歳の頃の自分自身に語りかけるように書いている本です。栄光の陰に様々な苦労があったことを初めて知り、読みながら、私も体の中に力がわいてくるようでした。
 自由な時間ができる夏休み。今回は、自分に宿題を課し、そのことを最初に子供たちに宣言しました。他には、補習校の小部屋の大掃除、遠足で行く場所の下見、サマースクールの準備などで、私の夏休みは終わりました。泊りがけの旅行には出かけませんでしたが、映画も三本見て、日帰りドライブにも出かけ、心も体もおおいにリフレッシュできた夏休みでした。さて、子供たちはどんな夏休みを過ごしたでしょう。これから子供たちと、夏休みの成果を共有するのが楽しみです。

(2011年8月)

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