校長先生の日々18: 勉強の意味

校長先生の日々(18)勉強の意味

 中学になると算数が数学という名称に変わります。最初の内は、つい算数と言ってしまう生徒達でも、すぐに「数学」という言い方に慣れ、はりきって新しい勉強に取り組んでいます。

 算数から数学に進んでも、基本事項を理解して問題練習をする学習方法は同じですから、明確な差があるわけではありません。しかし数学では、記号や文字を使って、抽象的な思考になるという点が算数と異なります。例えば、算数の鶴亀算(頭の数と足の数から、鶴と亀の数を求める問題)を、数学では文字を使った方程式で解きます。方程式を使うのに慣れてしまうと、逆に方程式を使わないで解くのに、苦労したりします。算数、数学のおもしろさは、解き方がいろいろある点と、正しいか間違いか、どちらかしかないという点にあると思います。どんな問題も、途中の過程が増えるだけで、一つずつ段階をふんでいけば、必ず答えにたどりつくことができます。最後の答えまでいけなくても、途中までできることもありますし、答えを見て「ああそうか」と理解できる場合もあります。算数、数学は、論理的思考力を伸ばしてくれる教科です。

 中1の数学は、マイナスの数の勉強から始まります。5+7=12にマイナスをつけると小1の計算が中1の勉強に早変わり。(-5)+(-7)=-12のような足し算引き算の練習に取り組みます。ある時、休み時間に小5の児童が教室に遊びに来ました。そして「どんな勉強をしているの」と先輩のノートをのぞきこみました。私が「2-6という計算だよ」と言うと「難しそうだね」と遠い目をして一言。中学の勉強はまだまだピンとこないようです。

 マイナスの数の勉強を始めてまもなく、一人の生徒が質問しました。「マイナスの数を習って、普段の生活で何か役に立つんですか」確かに、実際の生活で「体重が-2キロ増えた」とは言いません。すると別の生徒から「損得を比べたりする時に、-2000円とかって使うよね」生徒同士で、マイナスの数の概念の必要性を考え合っていて、感心しながら聞いていました。

 時々、なぜ数学を勉強するのか、という質問を受けることがあります。子ども達にとって勉強はしなくてはいけないもの。それは分かっていても、大人がどんな返事をするのか観察されているような気もします。子ども達の質問には、次への学習につながるヒントがたくさんつまっています。私も効果的な言葉かけをしていきたいと思います。

(2013年5月)

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